設備保全チームの残業が半減し、設備のケーブル断線故障発生率は月間0に!
経験談に頼らない保全計画へ

株式会社多田スミス

業種:業種:製造業 アルミダイカスト部品・厨房・温水機器部品・水廻り機器部品の製造、家庭用調理器具と部品の製造販売

従業員数270名の株式会社多田スミス様は、ダイカストという鋳造方式で高精度かつ短時間で大量生産が叶えられる製品づくりを得意とする企業です。同社の強みは、製造だけでなく、製品開発・設計や金型設計、さらには生産設備の設計〜プログラミング〜メンテナンスまで自社スタッフで担う生産体制。2022年から「MENTENA」のStandardプランを利用しています。同社のものづくり技術部保全技術グループの花谷様に、導入に至るきっかけや課題、そして導入後の変化などを伺いました。

課題

  • 故障履歴をもとに設備の停止時間などを社内に報告する際に、Excel管理だと、整理や報告書作成に手間がかかってしまっていた。

  • 発生した設備故障の頻度や発生状況は、担当者の記憶と経験に頼っている部分が大きく、同一ケースの発生予測や発生時の原因究明に時間がかかってしまっていた。

  • 約700ある設備の日常点検に時間がかかり、ペーパーレス化やクラウド化が急務だった。

効果

  • 突発故障の履歴や修理原因をデータで一元化できたことで、一カ所を探せばデータが見つかるようになり、故障発生時の対応がスピーディーに。保全技術グループの残業時間も大幅に減った。

  • 故障が発生しやすいケースが可視化されたことで、設備の設計段階から故障しにくい工夫を取り入れることができ、毎月20〜30件ほど発生していたロボットマシンの断線故障が月間発生率0になった。

  • 設備保全履歴を可視化でき、設備リニューアル時にも改善点を根拠とともに検討でき、より良い成果に繋がっている。

約700台の生産機器を8人の保全技術グループで管理するものづくり企業

株式会社多田スミス(以下、当社)は、アルミダイカスト部品の製造を中心に手掛けるものづくり企業です。工場内では、ガス器具の心臓部となる給湯器の部品などを鋳造から加工、表面処理、組立まで一貫して生産しています。

工場はもともと小学校の跡地を活用した施設で、従業員数は2024年2月時点で255名。そのうち保全業務に関わるわれわれ保全技術グループは8人と少数精鋭の人員配置になっています。工場内に異なる製造工程があり、それぞれ設備の特徴が異なるため、保全技術グループ内で「鋳造」「加工」「組立」の3つのセクションごとに担当者を設けています。現在は、鋳造部門に4名、加工と組立にそれぞれ2名という体制になっています。

MENTENAは、主に保全技術グループのスタッフに加え、現場で日常点検を行う製造スタッフにもアカウントを付与して活用しています。保全技術グループのメンバー以外が現場でMENTENAを使うのは組立など一部ではありますが、導入から約2年、現場のメンバー間でもMENTENAの存在が定着し、スムーズに運用ができています。

ペーパーレス化やDX化が社内の課題になっていた時期に、設備保全でもDX化を推進

当社がMENTENAの導入を検討し始めたのは、現場のペーパーレス化とDX化の推進に全社をあげて取り組み始めたタイミングです。工場内には約700の製造機器があり、定期点検だけでも、1年あまりかかります。加えて、突発故障などへの対応も発生するため、残業は日常茶飯事という状況でした。社内で設備保全システムを導入することでどの程度効果があげられるかを試算したところ、点検業務に加えて、確認作業や資料の印刷時間なども含めれば、1日あたり各スタッフが30分の時間を短縮できることになり、年間で従業員2名分の労働時間を減らせるという計算になりました。特に、どれだけ設備の停止時間が生じたかなどの報告資料は、Excel管理の故障履歴を元に作成していたため、制作に手間と時間がかかってしまっていました。


他にも、社内で抱えていた課題はいろいろあります。例えば、故障原因の分析をするためのデータもその一つです。導入以前の設備保全現場では、機器の故障に対応する際に担当者の経験談ベースで判断・推測することが少なくありませんでした。Excelなどで保全履歴を残していたとしても、データを遡って抽出したり参照したりするのに時間がかかるため、どうしても経験に頼る部分が多かったのが現状です。もっと根拠を持って設備保全ができれば、故障発生時の原因解明などがスムーズになるはずだという意識は常にありました。

また、設備の突発故障は再発事象が多かったのも当社の抱えていた課題です。再発防止対策が必要でしたが、なかなか根拠のあるデータがなく、この点も改善したいと考えていました。

イニシャルコストのかからないMENTENAで設備保全のDX化に着手

数ある設備保全システムやサービスの中からMENTENAを選んだのは、イニシャルコストが抑えられるという点に魅力を感じたからです。いくら使い勝手の良いシステムだったとしても、導入前は「うまく使いこなせるか」という不安は付きまといます。導入にあたって、イニシャルコストがかからなければ、良い意味で気軽にトライできます。MENTENAは導入時のイニシャルコストが非常にリーズナブルで魅力を感じました。

導入時には、社内で導入計画を作成。導入計画では日常点検表や年次点検表の登録、保全技術グループが使うタブレット導入のタイミングなども計画しました。また、MENTENAは導入前にトライアル(八千代エンジニヤリングのプロスタッフが伴走する試験運用)が実施できるので、1カ間のトライアル期間では、加工生産ラインの一部で使ってみました。その結果、十分現場でも使えると判断し、準備期間3カ月を経て本格導入しています。導入後も、現場で入力ミスを減らすための画面レイアウトや入力方法に関する相談をしたところ、すぐに対応してもらえました。

社内で情報共有や報告がスムーズに!突発的な修理にかかる時間も大幅短縮

現在は、保全技術グループの8名に加えて、社長や決裁者、生産現場の担当者にもIDを付与しています。そのため保全点検の進捗や故障発生時の報告が社内でスムーズに共有できています。

MENTENAの導入により、現場で行った故障対応や保全作業の共有がとてもスムーズになりました。当社では、毎日保全技術グループで朝礼を行い、通常業務の報告を行っています。MENTENAでは、システム上に写真も保存できるため、状況の共有が誤解なく、そしてスムーズに行えるようになりました。
同じ事象に関することを何度も聞き直したり、担当者の記憶違いで伝達ミスが起こったりすることが減りました。

また、定期点検に加えて突発的な故障への対応も保全技術グループの大切な仕事です。この部分でもMENTENAの導入効果が見えてきました。例えば、一つの突発故障に対して調査から原因の推測、そして修理まで2時間かかっていたとします。これがMENTENAの導入によって調査から原因の推測にかかる時間が大幅に短縮しています。保全技術グループの残業時間は目に見えて減りました。

正確な保全履歴の蓄積と管理で、繰り返しの突発故障が激減

もう一つ、MENTENAの導入により大きな手応えを感じているのが突発故障の減少です。当社では、ダイカストで製造した部品をロボットで取り出し、プレス機に供給する工程があります。この工程で、鋳造したばかりのダイカスト部品を取り出す際に製造機械のケーブルが断線する故障が月間20〜30件発生していました。

きちんと故障・修理履歴をMENTENAで管理することにより、同一箇所が断線するケースが多いと判明。写真とともに記録に残しているため、断線しやすいケーブル部分を保護するなどの対策を講じられました。月間20〜30件ほど発生していたケーブル断線故障が今年に入ってから3カ月で未だ0という結果には驚いています。

当社は工場内で使う生産機器の設計も自社で行っていますので、今後は過去の設備故障事案をより良い生産機器の設計にも活かしていく予定です。

これからの「MENTENA」に期待すること

昨年MENTENAを使った設備保全を年間通して運用できましたので、今後は蓄積した保全管理データをさらに活用していきたいと考えています。
現在は保全技術グループと一部の生産ラインでのみMENTENAを活用していますが、タブレットを使って日常点検を行う業務にはもっと社内で浸透させていきたいです。

今回、全社的なDX化の推進プロジェクトを進める中で、保全に対するさまざまな成果を創出することができました。MENTENAのサービスとしての信頼性と合わせて、自社の技術者たちのポテンシャル・行動力・可能性をあらためて体感する貴重なきっかけとなりました。
1971年創業の老舗企業でもある当社では、今後更新が必要とされる製造機器も多く出てくると予想しています。20年使ってきた機器も多いので、今後は過去の保全履歴データを蓄積するだけでなく、故障発生頻度などのデータを設備更新の判断材料にも繋げていく予定です。

株式会社多田スミス

1971年創業。ガスバルブなど温水機器・厨房機器の部品製造、水まわり機器部品の製造をはじめとし、アルミダイカスト部品の製造を得意とするものづくり企業。工場内には、金型製造から鋳造、そして加工や表面処理、組立まで一気通貫で製造する体制が整っている。自社スタッフで生産設備や金型そして製品の設計、メンテナンスなどを行えることも同社の魅力。創業以来培ってきたノウハウに加えて、新しい視点での技術導入にも積極的に取り組んでいる。

https://www.tadasmith.com/

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