導入事例
導入事例
北海道三井化学株式会社
製造業 木質系接着剤の研究・製造・販売など
三井化学グループの一員として、木質系の接着剤などの研究・製造・販売を手掛ける北海道三井化学株式会社様。工場の設備を日々メンテナンスする技術部工務グループでは、他社の保全管理システムから「MENTENA」にシステム移管されました。少数精鋭で設備の点検から保全、関連会社へのメンテナンス依頼まで手掛ける技術部工務グループの担当者様に「MENTENA」導入のきっかけや、導入後の変化を伺いました。
MENTENA導入前
MENTENA導入後
北海道三井化学株式会社は三井化学のグループ会社です。本社工場では、木質系接着剤の製造や液体アンモニア、アンモニア水の製造をしています。社員に加えて、工場構内には協力会社様も多数おり、設備保全でも協力会社の皆様にお力添えをいただいています。
工場内で使われている製造設備を担うのは、技術部工務グループ。人員としては3人体制と決して多くはありません。製造部から寄せられる機械の修繕依頼は、電話や社内で使われているエクセル書式で作成された紙の書類。依頼が届くと工務グループで、依頼内容を再度管理システムに打ち込み作業依頼書を作成し、協力会社に紙面で提出していました。修繕やメンテナンスの依頼のための書類作成にかかる時間が多くかかってしまっていました。
設備の保全に関する履歴やデータ、ノウハウなどが製造・工務・協力会社それぞれに分散されており、全体を把握できないことも大きな悩みでした。点検記録や修理履歴を集めるのでも一苦労。「過去の状況が明確になれば、もっとスムーズかつ適切な原因究明もできるのに」と課題感を感じていました。
もともと当社では、他社の保全管理システムを活用していましたが、システムはあってもうまく機能していないのが実情でした。1つのIDあたりの費用も高いことから、以前のシステムは工務グループだけでしか使用できなかったことも、その一つの要因だったと思います。
長年工務グループで抱えていた課題をなんとかしたいという思いから、検討し始めたのが「MENTENA」です。「MENTENA」には、メンバーに作業依頼を送るリクエスト機能があり、まさに当社が抱える課題を解決できる機能だと確信しました。
「MENTENA」の導入にあたっては、工務グループだけでなく関連会社も利用できるようにIDを大幅に増やしたいと思っていました。そのため、以前の管理システムと比べるとランニングコストはどうしても上がってしまいます。しかし、人員削減による業務の効率化を図ることが急務な状況だったこと、加えて、今まで時間外業務で対応していた作業指示書の作成といったデスクワークの負担を、「MENTENA」の導入で解決できれば、新システムに移行してコストが上がったとしても、会社としてのコスト負担は変わらないということを社内に説明しました。
社内説明のための資料作成の段階から「MENTENA」の担当者がサポートしてくれたので、検討開始から約2年と時間はかかりましたが、無事に導入に至りました。
「MENTENA」を使い始めるにあたって、まず現場の担当者1人と電気計装設備を担当する協力会社にお願いして修理依頼や工事作業依頼など一連の依頼業務を実際に「MENTENA」でトライアル活用してみました。本格的な導入をするとなれば、付与するID数は60ほど。社内だけでなく協力会社の方たちにもIDを付与してストレスなく使ってもらいたいと思っていたからです。
トライアル期間中も、運用方法や使い方など疑問に思った部分を相談する打ち合わせの機会があり、手厚いフォローのおかげでスムーズにシステム移行できました。また、リクエスト承認後も内容を書き換えができたため、承認後は編集不可にしてもらうなどちょっとしたシステム改善にも対応してもらえました。使い始めてみないと、こうした細かい使い勝手はわからないものですから、ありがたかったですね。
実際に本格運用してみると、想像以上に保全業務がスムーズになったことを実感しています。例えば、今まで紙ベースで提出していた作業依頼書を、画面上で確認できるようになったため、「協力会社の担当者が、作業依頼書を無くしてしまって作業がされていない」などの人為的ミスがなくなりました。また、協力会社に今どんな作業を依頼しているのかが画面を見ればひと目でわかるため、依頼している作業の優先順位を把握したり、全体のスケジュール管理をしたりすることもできるようになりました。
実際に「MENTENA」を導入して新たに発見したメリットも少なくありません。例えば、長期的な設備の点検・整備メンテナンス計画をあらかじめ入力しておけば、実施日が近づいたときに通知が来る仕組みはとても役立っています。材料の手配などあらかじめ必要な作業項目も入力でき、日が近づくとメールで通知が届くため、抜け漏れがなくなりました。工場設備は点検を忘れると法令違反になってしまいます。こうしたリスクを無くせるのも、「MENTENA」導入で得られた収穫です。
当初は「MENTENA」を、工場内設備の修繕依頼のために使うことをメインで考えていました。しかし、使い始めてみると想像以上に使い勝手が良いので、設備の運転情報や点検日報なども「MENTENA」で管理していく方向で、社内で準備を進めています。
導入時と同じように、協力会社様にも手伝ってもらい、設備の点検日報や現場で発見した異変などを随時入力していますが、今のところ問題なく運用できています。
これまで設備の点検は、運転する担当者がついでにチェックしてしまっていた部分もありました。「MENTENA」の活用で、点検リストをもとに工事設備の温度や電流値などの数値をチェックしていければ、設備に何か不具合があったときも「いつからおかしかったのか」など遡って異変を確認できます。また、機械も長年使い続けると、どうしても職人的な感覚で「何か変だ」と使っている人間が気付くことも少なくありません。しかし、これからの時代、職人的な感覚だけに頼りすぎてしまっていては、いざ世代交代をする際に、ノウハウを継承できないおそれがあります。今のうちから「MENTENA」にデータを蓄積しておけば、将来若い世代が工場設備を担う際の大切な資源になると考えています。
北海道三井化学株式会社
木質系接着剤や液化炭酸などの製造、植物細胞培養技術の開発などを手掛ける北海道三井化学株式会社。1939年に東洋高圧株式会社として北海道工場を開設し、2000年からは北海道三井化学株式会社としての歴史をスタートさせている。同社の事業の柱は、木質系接着剤や機能性化粧品素材の研究・製造販売、環境分析など。協力企業も多い同社では、社内外を巻き込んだ機器の点検・保全業務を効率化により、収益性の高い企業体制を実現している。
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