センサ製造部で「予防保全」を実現したい!高品質な保守業務を展開するために必要だった、MENTENAの導入。

株式会社デンソー岩手

業種:製造業 自動車用半導体ウエハ・半導体センサ・メータ・パワーカード

製造部門のスタッフが自主的な保全活動をこなしながら、大規模な設備トラブルを防ぐ。車載半導体ウエハなどを製造する株式会社デンソー岩手様のセンサ製造部では、「予防保全の確立」という目標を目指し、自社の保守・保全体制を進化させようとしています。そのプロジェクトを成功に導くツールの一つとしてお選びいただいた「MENTENA」についてお聞きしました。

課題

  • 予防保全の実現に向けて立ち上げたチームが活動してくうえで、軽減すべき煩雑な作業が多かった。

  • 過去の保全情報が紙ベースでストックされていたため検索に手間がかかり、非効率化していた。

  • 交替するチーム間の情報のやり取りも紙ベースだったため、共有すべき情報の見落としなどがあった。

効果

  • 予防保全に不可欠な情報を、一元管理・データベース化する方向性が定まった。

  • 紙ベースによる情報のやり取りからデータ管理への目処が立った。

  • 予防保全活動をけん引するチームの作業を効率化することが可能になった。

製造スタッフが、設備トラブルを未然に防ぐことに貢献できる環境づくりを

デンソー岩手は、株式会社デンソーが手掛ける車載半導体ウエハの専業製造拠点として、2012年に発足しました。現在では、ブレーキ油圧センサ、ハイブリッド車用のパワーカード、メータ類も製造しています。敷地内には製品ごとの製造設備を擁する工場が点在し、ほぼ24時間体制で稼働を続けています。繊細かつ複雑な製造工程を円滑に稼働させるためには、確かな保守・保全の意識と、それを具現化するチームの存在は不可欠です。また、製造品目の幅が広がり、会社自体が進化を続けていく過程で、車載半導体ウエハなどでは効率化を実現していることもあり、センサ製造部でもその重要性はどんどん増してきていると感じていました。

私たちデンソー岩手が特に重視したのは、「予防保全」という考え方でした。日々の製造作業のなかで、設備の異常や部品の交換時期、細かなトラブルの兆候を見極め、事前に処置を行うこと。そして発生し得る大規模な故障や生産がストップするのを防ぐということです。統計をとってみると、設備故障の約40%が、予防保全を徹底していれば防ぐことができたものだったという数字もあがっていました。そういった状況を踏まえ、センサ製造部では直接携わるスタッフが自ら担当している設備を常にチェックし、状態を把握する自主保全の体制強化を進めていくことを目指したいと考えていました。

予防保全を実行するためには、膨大な量のチェック項目をクリアする必要がある

これまでも、製造スタッフが自主的にチェックしていく保全のポイントは設定されていて、それを元に設備を運営していました。ただ、そのチェックは設備を動かしてよいかどうかを確認する、いわゆる「結果系」のポイントであって、それを確認するだけでは未然にトラブルを防ぐ予防保全はかなわないというのが現実です。的確な予防保全を行うためには、点検のための清掃、交換部品の管理、定期的な給油とその管理といった、さらに多岐にわたるチェックポイントを設け、設備の動向を見守らなくてはなりません。

これらのポイントを常に監視して情報を把握することを考えると、製造スタッフ一人ひとりのチェックや判断では間に合わない部分があります。状況を一元的に管理し、予防保全のための対処をけん引するチームが必要です。そこで私たちセンサ製造部では、予防保全活動を進めていくための組織として、「マシンテック」というチームを立ち上げました。このチームを中心にして、これまでルーティーンとして行っていた点検やチェックに加え、予防保全に必要な情報を収集・分析し、活かしていこうということです。

理想への道筋はイメージできてきたのですが、一つ大きな課題がありました。今以上に増える膨大なデータについて、マシンテックはそれをどう管理していくのかという点です。予防保全をすることを考えると、これから追加管理しなくてはならない部品は、2ラインで789点。設備において給油しなくてはならない部位が632カ所。現状、技術部門から指示されているチェックポイントの点検情報は紙ベースで管理している状態です。そこにさらなる情報が積み重なったらどうなってしまうのか、という不安もありました。

紙ベースのデータは、予防保全の実現を妨げる大きな「足かせ」になる

これまで、過去の保守・保全に関する履歴データは、ほとんどが紙ベースでまとめられ、時系列でファイリングされていました。各製造担当者は、1日1回~2回程度、状況をチェックして記録をつけていきますので、履歴情報は増え、履歴の確認作業は煩雑になる一方です。実際、履歴の把握に工数がかかり、同じようなトラブルが立て続けに発生してしまうというケースもありました。

また、データの管理を紙に頼り続けると、「情報共有がおろそかになる」という弊害も生じます。センサ製造部門では3つのチームが交替勤務を行っていますが、紙による情報のやり取りだと、申し送りが不十分になったり、確認漏れが発生したりする場合があります。つまり、設備の状態を正確に把握することが難しくなったりするということです。これは、早急にクリアにしなくてはならない課題でした。

マシンテックを立ち上げたからには、そのメンバーがスムーズかつ効率的に動ける土壌を整えなければ、理想の予防保全活動はできない。そういった見地から、情報管理の部分を効率化する手段を模索していたタイミングで出遭ったのが「MENTENA」でした。

セミナーに参加することで、イメージすべき予防保全の未来が見えた

ネックになっていた紙ベースでのデータ管理からの脱却、ひいてはマシンテックが効率的に稼働し、イメージしている予防保全を実現するといった目標をクリアしたいと考えていた時期に、八千代エンジニヤリングの「MENTENA」という設備保全システムを知りました。そして、開催されているオンラインセミナーに参加することを決めたことが、このプロジェクトを前に進める契機になったかと思います。

セミナーの内容は非常に有意義なもので、これから力を発揮しなくてはならないマシンテックが、より有益に活動するためのヒントが散りばめられていました。「MENTENA」を導入して活用し、マシンテックの活動とマッチすれば、予防保全活動がより円滑に進められると感じました。

またさらに導入の決め手になったのは、「MENTENA」の持つ機能が私たちの考えている作業の効率化に適していること、紙ベースからの脱却に貢献してくれると感じたことなどがあげられます。加えて、サーバを構築するなどといった手間もなく手軽に導入できる点も大きかったと思っています。また、八千代エンジニヤリングの営業担当の方も非常に献身的にサポートしてくれましたし、足りない機能についてもアップデートなどを通じて的確に対応していただいていると感じています。

「自分たちの設備は、自分たちで守る」という大きな目標に向けて

これまでは、理想の予防保全のイメージができていても、それを実現することができないもどかしさがありました。トラブルが発生した場合の保全部署との連携は大切ですが、忙しくて即時対応が難しい場合もあります。「自分たちの設備は、自分たちで守りたい」という思いを、具体化する機会が巡ってきたことをとてもうれしく思っています。現状はまだ歩みを始めたばかりで、データの移行を含め、クリアしなくてはならない部分はいくつもありますが、とりあえずスタートを切ることはできたと思っています。

マシンテックと「MENTENA」は、私たちの予防保全の両輪だと考えています。両方がうまく機能して、予防保全がしっかりと行えるようになれば、生産性の向上はもちろん、スタッフのモチベーションアップにもつながると期待しています。「自分たちでできることは自分たちでやり切る」環境づくりに向け、これからも知恵を絞っていきたいと思います。

株式会社デンソー岩手

株式会社デンソーの製造拠点として、2012年に操業を開始。車載半導体ウエハの製造からスタートし、以来、車載半導体センサ、パワーカード、メータを製造する工場を着々と竣工させ、現在に至る。1,000名を超える社員の一人ひとりが、「先進」「信頼」「総智・総力」のデンソー・スピリットに基づく行動を実践しながら、急速に進化・多様化を遂げつつある自動車産業界の一翼を担う。

http://www.denso-iwate.co.jp/

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