お役立ち記事
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2024.08.26
日々さまざまな設備を活用して製品を製造する工場では、設備トラブルがつきもの。万が一、設備トラブルが起こった際、どのように対応すればよいのか心得ておかなければ、業務が滞り、製品の品質にも悪影響が及びます。そこで今回は、工場内で設備トラブルが発生した際の正しい対応をまとめました。また、注意したい点や予防策なども併せてご紹介します。会社が損害を被る前に対処法を知りたい、予防まで徹底して行いたい企業さまはぜひご活用ください。
目次
設備トラブルとは、生産時に使用している機械がエラーを起こす、老朽化などが原因で機械が故障するといったことを指します。ときには、設定ミスによってトラブルが発生することも。
機械がエラーを起こしたり故障したりすれば、当然製品を作る機会を逃します。すると会社として売り上げが計上されない、出荷できないなどの重大な損失につながるおそれがあります。ときには、機械に挟まれたり、火災が発生したりなど、従業員の命を危険にさらす事態へ発展することも考えられます。これらのインシデントは、復旧するために多くの時間が必要になることもあるため、対応や予防策を整え、普段から備えておくことが大切です。
もしも設備トラブルが発生した場合、具体的にどのように対応するべきなのかを解説しましょう。
設備トラブルを発見した場合、まずは関係各所に迅速に報告し、問題を工場全体で共有します。何もせずに放置していると、新たな不具合の発生も考えられるため危険です。
一般的に、トラブルをはじめに見つけた人から現場の責任者へ、次に製造部の課長や品質管理に伝え、最終的に工場長まで漏れなく報告するのが基本です。スムーズな報告ができるよう、どの順番で伝えるべきかマニュアル化しておくとよいでしょう。ただし、トラブルにはイレギュラーがつきものです。想定通りに進まない場合もあるため、イレギュラーなシーンにも対応できる報告手順や対応方法を練っておくことも忘れてはいけません。
機械系のトラブルの場合は、メンテナンスの担当者やメーカーへの報告も行いましょう。すぐ実施できるよう、連絡先を控えておくのも1つの手段です。
設備トラブルがなぜ起きたのか、その原因を究明し、復旧に努めます。問題に対してどのような処置が必要なのか、製造した製品の出荷は可能なのかどうかといった点を見極めるためにも重要な作業です。
原因を究明する際には「なぜトラブルが発生したのか」「未然に防ぐことはできなかったのか」といった2つの観点から探ります。こうすることで、円滑な原因の発覚と、再発防止に役立つのです。原因をはっきり突き止めなければ、生産活動を再開することは難しいと考えられます。
設備トラブル発生時に製造していた製品を特定し、出荷可能かどうかチェックしましょう。設備トラブルの影響で、製品が正しく製造されていないケースが考えられます。万が一、不良品を出荷してしまった場合、ユーザーからのクレームにつながる可能性があるほか、ときには企業としての存続が危うくなることすら考えられるのです。
設備トラブル発生後に適切な対応を実行するにあたり、注意しておきたいポイントもあるので、確認しておきましょう。
設備トラブルを発見しても、単独で判断して解決しようと試みるのは危険です。関係する従業員全員で把握して問題解決を目指さなければ、状況が悪化する可能性があります。そのため、必ず各関係部署に報告を行い、問題を関係者全員で共有しましょう。
また、設備トラブルが発生したのが自分の責任である場合、それを隠そうと黙っておくのはいけません。新たな不調やその他の従業員のケガなどにつながる可能性があります。迅速かつ責任のある行動をするためにも、社内のルールに従ってトラブル解決に努めてください。
設備トラブルの原因を突き止めて解決すると、またこれまで同様に作業は進みます。しかし、問題解決までの工程だけでは、再び同じ現象が発生してしまう可能性があるのです。そこで、もう2度と同様の不具合が起きないよう、再発防止策を検討・導入しましょう。再発防止策は設備トラブルが発生するたびに、しっかりと検討してください。
工場内での設備トラブルはできるだけ避けたいものです。そこで、設備トラブルを未然に防ぐための対策を3つまとめました。
設備トラブルを起こさないためには、メンテナンスの強化を行いましょう。法定点検に加えて、トラブル防止のための定期メンテナンスも取り入れてみてください。不具合を早期発見でき、機械設備の不調を予防できます。
メンテナンスを実施した際、劣化した部品や強度が低下した部品などを早めに取り換えることも重要です。普段から、予備品をストックしておくとよいでしょう。
社内で行う点検に加え、機械を製造したメーカーによるメンテナンスを取り入れたり、トラブル防止に役立つシステムを導入したりして体制の強化を図るのもおすすめです。また、結果を記録し可視化しておくと、次のメンテナンス時に分かりやすく、作業がスムーズになります。他にも、スケジュールをきちんと決めて、実施忘れがないようにしましょう。
機械の使い方を間違えた、設備使用時の注意点を把握していなかったなどの理由から、ヒューマンエラーによる設備トラブルが発生する可能性もあります。そこで、設備の正しい取り扱い方法を従業員全員が把握するため、人材教育や設備管理体制を整えることなども立派なトラブル防止策です。
設備の使用方法をマニュアル化することはもちろん、もしも不明点があった場合に、質問しやすい職場環境を整えておくこともポイントです。上司をはじめ、同僚や部下と意思疎通が取りやすいよう工場全体で配慮してみてください。
また、まだ経験の浅い新人社員は、設備トラブルに伴う危険に対して感受性が低い傾向です。そのため、思いもよらない原因やタイミングで設備トラブルが発生することが考えられます。大きな損害や事故を防止するためにも、新人教育にも力を入れましょう。チェックリストなどを活用して、教育・管理体制を整えるのもおすすめの方法です。
どんなに注意していても、いつどのタイミングで設備トラブルが発生するのかは、誰にも予想できません。そこで、日頃からトラブルに強い環境を整備することが重要です。前もってどのような不具合が発生しうるのか危険予測し、対策の立案・導入をしましょう。
あらゆるトラブルの可能性を予想し、万が一発生した際のマニュアルを作成しておくのもよいでしょう。トラブル対応を日々想定し、作業を進めることも大切なポイントです。
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工場内での設備トラブルのリスクは常につきまとっています。万が一、設備トラブルが発生した場合には、速やかな報告と原因究明、トラブル発生時に製造した製品のクオリティ確認をすることが基本です。加えて、独断で判断しない、再発防止策を検討するといった点も意識しましょう。設備トラブルをできるだけ引き起こさないための予防策も検討・実施し、よりよい職場環境を整えてみてください。
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執筆者
MENTENA編集部
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