設備管理

公開日:2025.06.19

更新日:2025.06.30

設備保全システムおすすめ8選!比較ポイントや導入メリットなども解説

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設備の故障やトラブルは、生産ラインの停止やコスト増加の要因となり、製造現場にとって大きなリスクです。
こうした課題に対応する手段として注目されているのが、点検や修理記録を一元管理することで業務効率化を実現する設備保全システムです。

この記事では、導入メリットや機能の比較ポイント、活用事例まで詳しく解説します。

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目次

設備保全システムとは?

設備保全システム(CMMS)とは

設備保全システムとは、日々の点検記録や部品の在庫状況、修理対応の進捗など、保全業務に関わる情報を一元的に管理できる仕組みです。CMMS(Computerized Maintenance Management System)とも呼ばれ、現場の業務効率化と情報の可視化を支援します。

 

従来は、紙のチェックシートやエクセルファイルを用いて設備の状態を記録・管理するのが一般的でした。しかし、この方法では記録のばらつきやデータの分散、担当者依存による属人化などが避けられず、情報共有や履歴の確認にも手間がかかるという課題がありました。

 

こうした背景から、保全情報をデジタルで一元管理できる設備保全システムが注目されており、全社的な保全業務の標準化や最適化に向けた取り組みが加速しています。

設備保全システムの導入メリットと期待できる効果

導入前後の効果

設備保全システムの導入は、単なる業務のIT化にとどまらず、現場の構造的な課題の解消や、経営リスクの軽減にもつながります。ここでは、システムの導入により保全現場で得られる代表的な効果について、設備保全システム「MENTENA(メンテナ)」を提供する八千代ソリューションズ(以降「当社」)の調査結果も踏まえて解説します。

保全現場の人手不足・属人化を解消できる

近年、保全分野では人材不足と技術の属人化が深刻化しています。2024年に当社が行った調査では、保全部門の66.1%が「人が集まりにくい」と回答し、従事者の46.5%が50歳以上と高齢化も進んでいることがわかりました。

 

また、技術の伝承に5年以上かかるとの回答も約43%に上り、属人化しているままではノウハウの継承が難しくなる現実があります。

 

設備保全システムを導入することで、保全履歴や点検基準などをデジタルで記録・共有でき、属人性を排した保全体制の構築と、スムーズな引き継ぎが可能になります。

業務を効率化できる

保全業務では、いまだに紙やエクセルによる管理が主流であり、情報の重複や記録のバラつき、検索の手間などが非効率の原因となっています。

 

実際、当社の調査では、保全管理においてエクセルを使用している企業は46%、紙管理は40%にのぼり、専用システムを導入している企業はわずか8%という結果でした。

 

設備保全システムを導入することで、点検スケジュール、部品管理、履歴の検索といった業務が一元化され、手作業の削減と業務標準化が進む効果が期待されます。

ヒューマンエラーを低減できる

設備保全では、ちょっとした点検漏れや記録ミスが重大なトラブルにつながりかねません。

 

保全システムを導入することで、点検項目の明確化や入力補助、チェックリストの標準化が進むと、作業の抜け漏れが発生しにくい環境が整います。そうすれば、点検漏れや記録ミスが減少し、保全の質が安定することが期待できます。

 

結果的に現場作業の負担も軽くなり、設備の安全性や稼働信頼性の向上につながることもメリットです。

予防保全になり突発停止を防げる

設備保全システムを導入すると、点検履歴や異常傾向のデータが蓄積され、設備の異常を早期に検知することが可能になります。これにより、トラブルが発生してから対応する事後保全ではなく、故障を未然に防ぐ予防保全へと移行できます。

 

適切なタイミングで保全を実施することで、突発的な故障や生産停止のリスクを抑えられるほか、設備の寿命を延ばすことも可能です。結果として、メンテナンスにかかるコストや工数の削減にもつながります。

 

(出典)
八千代ソリューションズ株式会社 | 製造業のDXと保全現場の実態に関するアンケート結果

設備保全システムの比較ポイント

続いて、設備保全システムを選定する際に注目すべきポイントを解説します。

備わっている機能

設備保全システムには多様な機能がありますが、重要なのは「自社に本当に必要な機能があるかどうか」を見極めることです。

 

<設備保全システムの主な機能>

機能 内容
点検スケジュールの管理 定期点検やメンテナンス予定を一覧で把握し、作業の計画漏れを防止
保全履歴の記録と参照 過去の点検・修理内容を蓄積し、トラブルの再発防止や分析に活用
部品の在庫・発注管理 交換部品や在庫状況を可視化し、必要なときにすぐ手配できる体制を構築
保全記録の一元管理・デジタル化 紙やエクセルでの管理を脱却し、情報をデジタルデータで管理・共有
現場からの保全依頼受付と通知機能 作業依頼をリアルタイムで受付、緊急時にもスムーズに対応
設備データの可視化と分析 稼働状況や点検結果をもとに、予防・予知保全の判断材料を提供
拠点間・チーム間での情報共有 マニュアルやチェックシート、保全履歴などを関係者全体で共有可能

 

こうした機能が揃っているかを確認することで、自社の保全業務にフィットし、日常の業務改善や効率化につながるシステム選定が可能になります。選定時は、現場の運用フローとの適合性にも着目しましょう。

クラウド型(SaaS)かオンプレミス型か

導入形態は主にクラウド型(SaaS)とオンプレミス型の2つに大別され、それぞれ特徴が異なります。

 

項目 クラウド型(SaaS) オンプレミス型(独自開発含む)
データ管理 ベンダーのクラウド 自社サーバー内
初期費用 低い 高い
カスタマイズ性 限定的 高い
メンテナンス ベンダー側で対応 自社で対応
導入スピード 早い 時間がかかる
セキュリティ 業界標準だが外部に依存 完全に自社内で管理可能

 

クラウド型は、初期費用が抑えられ、すぐに使い始めたい企業に適しています。一方、社内でデータを管理したい、特殊な業務に対応したい、専任のIT人材がいるような場合には、オンプレミス型(自社開発含む)が向いています。

費用対効果と導入負荷

導入前に把握すべき負荷

設備保全システムの導入では、初期費用・月額費用・カスタマイズ費用に加え、設定や運用にかかる人件費なども含めて総コストを把握する必要があります。

 

一般的に、カスタマイズ性の高いシステムほどコストがかさむ傾向があり、使わない機能が多くなるほど費用対効果が見合わなくなりがちです。本当に複雑なシステムが必要なのか、ミニマルな機能で運用を見直すことはできないか、慎重に見極めることが大切です。

 

また、操作性や導入時のサポート体制も重要な選定基準です。現場で無理なく使いこなせることが、長期的な活用につながります。

おすすめの設備保全システム8選

機能や使いやすさなどおすすめの設備保全システムのイメージができる画像

ここでは、代表的な設備保全システムを導入形態別に紹介します。各システムの特徴や導入メリットを比較検討する際の参考にしてください。

MENTENA(クラウド型)

MENTENAは、設備保全のDXを現場レベルから実現するクラウド型の設備保全システムです。設備台帳と点検結果・修理報告を紐付けて一元管理し、データに基づいた保全計画の最適化やコスト削減を支援。登録された故障原因・修理費用・停止時間などは、分析機能で設備ごとに集計・可視化され、トレンドグラフや進捗スケジュール画面でも確認できます。

 

さらに、繰り返し設定や事前通知機能を活用することで、長期的な予防保全計画の策定と実行も可能です。直感的なUIとサブスクリプションモデルで導入しやすく、導入後の定期サポートも充実しています。中小製造業から大手工場まで、現場作業者と管理者双方にとって実用的な仕組みが高く評価され、サービス提供から5年で、導入社数は600社、20,000箇所以上を超えてます。

 

公式サイト:MENTENA

MONiPLAT(クラウド型)

MONiPLATは、TBM(時間基準保全)とCBM(状態基準保全)に対応したクラウド型の設備保全システムです。スマートフォンアプリによる点検入力や結果のグラフ化、メール通知機能で、現場の定期点検や異常予兆の管理を効率化します。

 

20設備までは無料で利用でき、設備登録や点検表の代行など、導入支援も充実しています。専属スタッフによるCBMソリューションの運用支援も提供され、保全業務のDX化を低コストで実現できます。

 

公式サイト:MONiPLAT

カミナシ設備保全(クラウド型)

カミナシは、設備保全を含む複数の現場業務を一元的にデジタル化する現場DXプラットフォームです。点検・記録作業のデジタル化により、軽微な欠陥を早期に発見し、突発的な設備停止を未然に防ぐ支援をします。

 

設備カルテでの情報一元管理、過去データの簡易検索、修理情報の共有などが可能。設備保全だけでなく、研修マニュアルや社内コミュニケーションの機能も搭載されており、製造業を中心に活用されています。

 

公式サイト:カミナシ設備保全

ミロクルカルテ(クラウド型)

ミロクルカルテは、現場の声から生まれた設備保全ツールで、計画・進捗・記録・分析を一元管理するクラウド型システムです。二次元コードによる設備管理、修理依頼の迅速な発行、スマートフォンによる履歴確認など、現場での運用を重視した設計が特徴です。

 

グラフによる課題の可視化や作業進捗のリアルタイム把握も可能で、点検漏れや伝達ミスの削減にもつながります。無償トライアルやオンライン相談もあり、導入前の不安解消も支援されています。

 

公式サイト:ミロクルカルテ

M2X(クラウド型)

M2Xは、紙やエクセルによる煩雑な設備保全業務を効率化し、稼働率向上を支援するクラウド型の設備保全アプリです。記録はスマ-トフォンで簡単に入力でき、写真や動画の共有、チャットによるコミュニケーションにも対応しています。

 

QRコードから設備情報へ即時アクセスでき、履歴検索もスムーズです。導入企業では、ライン停止時間の減少や稼働率の改善が報告されています。

 

公式サイト:M2X

SmartFAM(クラウド型/オンプレミス型)

SmartFAMは、日立産業制御ソリューションズが提供する設備・資産管理システムで、クラウドおよびオンプレミスに対応しています。モノとコトを中心に、設備情報や点検・修繕などの保全業務の一元管理が可能です。

 

PLC機器との連携による設備稼働監視、異常通知、ガントチャートによる計画管理、AIによる故障原因アドバイス機能など、高度な現場支援機能も搭載されています。スマートフォンやタブレットでの現場入力、生成AIとの連携による情報検索、海外対応UIなども含まれ、規模・用途に応じて柔軟に導入できます。

 

公式サイト:SmartFAM

PLANTIA(クラウド型/オンプレミス型)

PLANTIAは、富士通が提供する設備保全管理システムで、オンプレミス型とクラウド型の両方に対応。設備のPDCAサイクルを支援し、保全業務の見える化と標準化を通じて保全品質の向上を図ります。

 

設備台帳管理、保全計画、周期管理、点検、保全履歴、修理案件管理など、業務に必要な機能を網羅。タブレットを活用した点検や、他システム(CAD/図面管理など)との連携実績も豊富です。35年以上の導入実績と12,000ライセンス超の運用実績を持ち、国内製造業の大規模展開にも対応しています。

 

公式サイト:PLANTIA

Maintenance Station(オンプレミス型)

Maintenance Stationは、富士電機が提供するオンプレミス型の設備保全管理システムです。点検管理・故障管理・部品管理・作業コスト管理など、設備保全に必要な情報を一元化。現場でのタブレット入力や情報検索を容易にし、蓄積された保全データをもとに故障傾向や原因分析を支援します。

 

IoT連携(オプション)によりBIツールと連動し、異常徴候の自動検知による予知・予測保全の実現も可能。情報の最適配置、知見の共有、迅速な対応により、定型業務から付加価値業務への移行をあと押しするシステムです。

 

公式サイト:Maintenance Station

設備保全システムの導入事例

実際に設備保全システムを導入された企業様のイメージ

ここからは、設備保全システムMENTENAを導入した3社の事例を紹介します。

株式会社多田スミスの事例(製造業)

多田スミスのホームページ画像

700台の生産機器の日常点検が必要となる同社では、担当者の記憶と経験に頼った故障対応やエクセルによる履歴管理に限界を感じ、MENTENAを導入しました。

 

突発故障の原因分析や保全履歴の可視化が可能となり、月間20〜30件発生していたロボットマシンの断線故障が3カ月連続でゼロに改善。報告や情報共有もスムーズになり、保全技術グループの残業時間が大幅に減少するなど、保全業務の効率化と品質向上を実現しています。

 

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光和精鉱株式会社の事例(環境リサイクル業)

光和精鉱のホームページ画像

紙に記入した点検内容をエクセルに転記する二重作業が常態化していた同社では、MENTENA導入により現場からの直接入力が可能となり、入力作業時間を50%削減しました。

 

従来は1日かかっていた点検業務も、午前中に完了するように。点検結果の即時共有や写真データの取り込みも可能になり、管理者による修理計画の把握と判断の迅速化につながっています。

 

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阪部工業株式会社の事例(製造業)

阪部工業のホームページ画像

設備履歴の確認に時間がかかり、担当者間の引き継ぎも課題だった同社では、MENTENA導入後、月間12時間以上の残業時間短縮を達成しました。

 

部品や過去の修理履歴をフリーワードで検索できるようになり、データを探す手間が大幅に削減。保全業務だけでなく製造部門との情報共有も進み、部署を超えた履歴参照が可能になっています。

 

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設備保全システムの導入でよくある失敗と選定ミスを防ぐコツ

ここでは、設備保全システムの導入でありがちな失敗例とその対策を紹介します。

導入後ミスマッチが起こった

導入目的が曖昧なまま進めると、現場と経営層で求める成果が食い違い、「思っていたのと違う」というミスマッチが起こりがちです。例えば、経営は予防保全の強化を期待していたのに、現場は記録のデジタル化だけを重視していた、といったケースです。

 

また、保全対象や点検の緊急度・頻度などを整理せずに導入すると、運用ルールが定まらず、システムが定着しにくくなります。

 

こうした失敗を防ぐには、「何を目的に導入するのか」を明確にし、関係者全員で共有したうえで、必要な機能や対象範囲を事前にすり合わせておくことが重要です。

現場で定着しなかった

システムに操作性やユーザビリティ(UX)が欠けていると、現場で使いづらさを感じ、結局はエクセルや紙の運用に戻ってしまうことがあります。また、初期の教育やマニュアル整備、問い合わせ対応の体制が不十分な場合、使い方が属人化し、ミスや二重管理の原因にもなります。

 

こうした事態を防ぐには、操作のしやすさはもちろん、導入後のトレーニングやサポート体制まで含めて検討することが重要です。あわせて、システムの導入実績やサービス提供期間といった、これまでの信頼性を測る指標も確認しておくと安心です。現場が「これなら使える」と感じられることが、スムーズな定着につながります。

 

<現場定着のポイント>

  • システムの操作性、ユーザビリティ(UX)
  • 初期の教育、マニュアル整備、問い合わせ対応の体制
  • システムの導入実績、サービス提供期間

まとめ

設備管理クラウドサービスMENTENA

設備保全システムは、現場の点検業務を効率化し、保全の属人化やヒューマンエラーの低減に貢献します。さらに予防保全が強化されることにより、突発的な停止や故障リスクを抑え、設備の長寿命化と安定稼働を支える基盤にもなります。

 

導入の際は、必要な機能や現場の使いやすさ、サポート体制などを十分に見極めることが重要です。その点、MENTENAは導入前の設計支援から運用後のサポートまで手厚く対応しており、初めての設備保全システムとしても安心して導入できます。保全レベルの底上げとともに、生産性と安全性の向上を目指す企業の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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MENTENA編集部

執筆者

MENTENA編集部

製造業向けの業務効率化・業務改善に役立つコラムやセミナー、および有益な資料を通じて、実践的な情報を提供しています。最新のツールの使い方や業界の情報・トレンドを継続的に発信することで、製造業の皆様にとって信頼できる情報源となることを目指しています。

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