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2024.08.29

設備老朽化が引き起こすリスクとは?早期に発見するための対策と発見時の対応方法

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工場の設備は何も対策をしないと稼働を続けることはできません。また、メンテナンスを欠かさず行っているとしても、経年劣化による設備老朽化は避けられないものです。設備老朽化は、生産効率の低下や故障・不良品の発生など、さまざまなトラブルを招きます。そこで、この記事では、設備老朽化が引き起こすリスクや、設備老朽化を早期発見するための対策、設備老朽化を発見した際の対処法などを解説していきます。老朽化を見抜くポイントをしっかり押さえて、事故を未然に防ぎましょう。機械の稼働を止めないことで、安定した生産活動を維持できるはずです。

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目次

設備老朽化がもたらすリスク

老朽化した設備をそのまま稼働させたら、どのようなリスクがあるのでしょうか。3つの観点から見ていきましょう。

技術者に危険が生じるリスク

老朽化した設備を放置してそのまま稼働させた場合、設備の故障を原因とする危険が生じます。一例として、技術者が機械に巻き込まれる、押しつぶされるなどの事故が起こる可能性も考えられるでしょう。

 

また、漏電による火災の危険性もあります。技術者に被害が出ると労災に認定され、損害賠償請求や行政処分の対象になることも。企業のイメージダウンにもつながり、将来の企業活動や業績にも悪影響を及ぼします。重大な事故を未然に防ぎ、安全な現場を維持するためには、日頃から設備管理を徹底することが重要です。

生産性が低下するリスク

工場設備が老朽化すると、生産性低下も懸念されます。機械が経年劣化し、故障や不具合の発生率が高まるからです。これまで使用してきた旧式設備は、新たに開発された最新設備に比べると能力が劣り、老朽化していると修理の頻度も増えます。

 

また、設備が古くなると、機械の不調を原因とする不良品の発生頻度も高まるのです。不良品が発生すると、本来は不要な検品や交換対応の手間も取られるでしょう。結果的に、製造に充てられる時間をロスし、生産性が低下してしまいます。生産コストの増加をも招きかねません。

生産ストップに追い込まれるリスク

機械や設備は、導入から10年程経過すると、モデル変更などで交換部品の入手が困難になります。旧モデルの部品供給が終了するためです。そのため、設備が故障しても調達先がなく整備できない場合もあります。

 

交換部品を入手できなくなると、一時的に生産をストップしなければならないリスクが発生するでしょう。設備の入れ替えが必要になると、生産停止が長期化し、売上や利益にも大きな影響を与えるかもしれません。現存する設備の交換部品はまだ調達可能か日頃から確認しておき、交換部品の供給終了などで修理が難しくなった場合、故障前になるべく早く設備更新を検討しましょう。

設備老朽化を早期発見するための対策は?

さまざまなリスクがある設備老朽化。早期発見のためには、どのようにすればよいのでしょうか。ここでは、老朽化を早期発見するための対策についてご紹介します。

設備保全による定期点検の実施

設備老朽化を早期発見するためには、定期点検の実施が欠かせません。そこで、設備を安全に稼働させるための「設備保全」が大切です。設備保全には、「事後保全」「予防保全」「予知保全」の3つがあります。

 

「事後保全」は、故障したら直す保全方法で、故障の発生を予測できない箇所に採用します。

「予防保全」は、トラブルを予測して事前に部品を交換する方法。劣化しやすい箇所を事前にチェックして作業が行われます。

「予知保全」は、設備や機械に故障やトラブルの兆候が見られたら対処するという保全方法です。

 

定期点検は、予防保全の1つです。抜け目がないように、保全業務を遂行しましょう。また、日頃から自主点検を行う習慣をつけることも大切。日常業務のなかで設備の状態をチェックできれば、設備老朽化を早期に発見できるでしょう。

 

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設備保全内容の見える化

自主点検を含め定期点検を実施したら、点検結果を記録しておくことも、設備老朽化を早期発見するために重要です。記録するときには、いつ、どの箇所が、どのように故障したかを記録しておきましょう。点検結果や故障箇所、頻度などを収集してデータ化し、しっかり分析して設備保全を見える化します。すると不具合が起こりやすい箇所の傾向が明確になるので、点検もしやすくなるでしょう。もし特定の箇所の故障頻度が高いと、老朽化している可能性が高くなります。

 

また、設備更新や修理の最適なタイミングも見極めやすくなるでしょう。このように、設備保全内容の見える化は、老朽化による生産ストップなどのリスク軽減にもつながります。

設備や部品の寿命を把握しておく

設備や部品は、きちんと定期的にメンテナンスをしていても、経年劣化により耐久性や性能は落ちてしまいます。そのため、設備や部品の寿命をしっかりと把握し、事前に使える期間を定めておくことが大切です。設備や部品の寿命は、法定対象年数かメーカーが出している推奨使用期間を目安にするとよいでしょう。摩擦が発生する箇所、高熱が出る機器、屋外で使用する設備など、使用環境が厳しい場合は、余裕を持ち早めに部品交換や設備更新を検討しましょう。

生産部門と保全部門の連携を高める

設備老朽化を早期発見するために重要な設備保全は、生産部門と保全部門の連携がポイントになります。保全部門は、故障の原因を突き止め、対策を講じて生産部門へ報告。生産部門は、再発防止のために整理、整頓、清掃、清潔を行う必要があります。設備の故障がなかったとしても円滑な業務遂行のために、生産部門と保全部門の連携を高められるよう、定期的に会議を設けるなどの工夫をしましょう。連携がうまくできていれば、設備保全がしっかり成り立ち、設備の稼働がストップすることなく、正常に生産が維持できるでしょう。

老朽化や設備保全についての教育を実施する

設備老朽化や保全についての教育や訓練を実施することも、早期発見には大切です。設備保全を正しく行うためには、実施する技術者の正しい知識と技術が必要になります。設備保全の基本や設備老朽化によるリスク、自社設備の性能、構造、動作などの把握をしっかり行いましょう。事前に教育体制を整えることで見識が深まります。

IoTデバイスを導入する

技術者による自主点検は大切ですが、すべての老朽化や異常に気付けるわけではありません。人の目や感覚に頼るのは限界があるからです。そこで、今後の設備保全には、IoTデバイスの導入が必要になってきます。IoTデバイスを設置すると、リアルタイムで設備のデータを収集。異常を事前に察知可能なため、設備老朽化によるリスクを未然に防げるようになります。

 

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設備老朽化を把握するためのポイント

設備老朽化を発見するためには、腐食、摩耗、荷重による部品の疲労などを中心に点検することが大切です。ここでは、設備老朽化を把握するためのポイントをご紹介します。

環境の影響によって起きた腐食

設備は、設置環境の影響を受けて腐食が進みます。腐食が起きやすい箇所は、「金属ネジ」や「シール材」、「パッキン」などです。それぞれの場所で、腐食が進んでいないか、日常的に点検しましょう。腐食の有無に限らず消耗部品は、定期的に交換しなければなりません。

 

ですが、メーカーが公表する交換サイクルよりも頻度が高くなってきたら、老朽化の可能性があるので要チェック。特定の部分だけ交換頻度が高い場合も設備老朽化が考えられます。

摩耗による機械設備の損傷

長期間同じ設備を使用していると、さまざまな部品が摩耗していきます。特に、「チェーン」や「ベルト」などは、損傷の恐れがあるので慎重な点検が必要です。設備に、チェーンやベルトを使った箇所があれば、摩耗していないかしっかり確認しましょう。機械性能が低下している場合、設備老朽化の可能性が高くなります。

繰り返し荷重による疲労

設備のなかには、繰り返し荷重を受ける箇所が存在します。「部品同士が押しつけられる」、「衝突する」といった箇所は、疲労破壊の可能性が高いです。荷重を繰り返し受けている部品などは、がたつきが発生しやすくなっているため、老朽化していないか確認しましょう。点検記録から機械精度が低下している場合も、老朽化の可能性が高くなります。

故障の記録も重要になる

設備老朽化を把握するためには、設備の故障履歴を蓄積していくこともポイントです。故障記録には、「いつ」「どこが」「どのように」壊れたのか正確に残しておきましょう。

 

さらに、「復旧にかかった時間」や「人員」なども記録しておくと、分析に役立ちます。故障履歴を分析し、同じ箇所が何度も故障したり、不具合の頻度が高くなってきたりしたときには、設備老朽化が進んでいるといえるでしょう。

設備老朽化発見時の対応

最後に、設備老朽化を発見した際の対処法をご紹介します。

設備のリプレイスを実施する

リプレイスとは、「新しく交換する」、「置き換える」という意味です。老朽化した設備を新しいものに入れ替えることを指します。リプレイスすることで、費用はかさみますが最新の設備を導入するため部品の調達が簡単になり、設備の寿命を伸ばせるようになるでしょう。設備の不具合発生率が低くなり、最新の機械性能を生かして生産効率も高められます。低振動、低騒音も実現できるでしょう。設備のリプレイスにより、生産性、安全性の向上が期待できます。

設備のオーバーホール

オーバーホールとは、「設備の性能を戻す」ため、機器や設備を一度分解してから、洗浄したあと、修理や部品交換などを行うことです。その後、注油を行い分解したパーツを組み立て、最後に調整することで完了します。設備老朽化による故障のリスクを軽らし、生産性の維持が可能です。リプレイスに比べ、費用を抑えられるのがメリット。新しい設備の操作方法を覚える必要もないので、作業の滞りもないでしょう。元の場所に再配置してそのまますぐに作業に入れます。同じ設備を使い続けることは、環境保全にもつながるでしょう。

リプレイスとオーバーホールの選択法

リプレイスとオーバーホールの選択は、「設備の状態」と「予算」によって変わってきます。リプレイスは、高額な予算や導入までの期間、操作やメンテナンスなどの教育が必要ですが、設備寿命を延長でき、生産性の向上を図ることができます。故障時の交換部品の調達もしやすいでしょう。

 

オーバーホールは、比較的コストを抑えて実施できますが、既存設備の延命措置となるため、生産性の向上やコストの削減はあまり期待できません。しかし、オーバーホールは、既存の設備をそのまま使用するため、早期に稼働を再開できます。

 

老朽化が深刻化し予算をかけてでも、生産性を上げたい場合はリプレイスを、老朽化の程度が軽度かつ予算を抑えたい場合はオーバーホールを検討するとよいでしょう。

最後に

設備を万全な状態で稼働し続けるためには、日々の設備保全が大切です。設備老朽化は、生産効率の低下や不良品の発生など、さまざまなトラブルを招きます。設備老朽化を早期発見するためには、定期点検を行い、設備保全内容の見える化を進めましょう。

 

また、IoTデバイスなどの技術導入も不可欠です。設備老朽化を迅速に把握するためには、腐食、摩耗、荷重による疲労などポイントをしっかり押さえることが大切。点検後は、記録にとどめておき、不具合を把握しやすい環境を整えます。設備老朽化を発見したときには、設備の状態と予算を考慮し、リプレイスするか、オーバーホールするか最適な選択をしましょう。

 

MENTENA(メンテナ)」は、クラウド型設備保全システムを提供しています。点検結果や保全内容を蓄積、見える化することで円滑な保全業務をご支援します。データの一元管理により情報共有がしやすく、設備の状態を技術者の皆さまで把握できます。円滑な保全活動を実施し、安定した生産活動を維持したい企業さまはご活用ください。

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