製造業×AI【ものづくりにおけるAI活用のメリットや課題とは?】

公開日:2024/6/27

更新日:2024/7/23

AIの進化が加速し、さまざまな業界でAIの活用が進んでいます。日本のものづくりを支える製造業が直面している課題を解消するため、AIの導入に踏み切る企業も増えているようです。今後、AI×ものづくりの新しい製造業の形が一般化するかもしれません。しかし、AIがどう役立つのか、理解できていない方もいるでしょう。そこで今回は、製造業とAIに焦点を当てて、導入のメリットや課題について解説していきます。

さまざまな業界で活用が進むAIとは

 

AIとは、コンピュータ上で人間と同じような思考ができるようプログラムされた「人工知能」のこと。自己学習能力がある点が、AIの大きな特徴です。人間が経験から知識を蓄積していくように、自ら学習して見識を広げ、判断や推測ができるようになります。

 

また、AIはモノとインターネットがつながるIoT技術との相乗効果もあり、AIの技術を積極的に取り入れている業界や成功事例も多数あります。

 

日本のものづくりの課題とAIにおける対処法とは

 

クオリティの高さから評価されてきた日本のものづくりですが、少子高齢化により直面している課題があります。まずは、その課題と解消方法について見ていきましょう。

日本のものづくりの課題とは

日本のものづくりは、主に人材が保有するスキルに重きを置いていました。ところが、現在日本のものづくりの現場では、少子高齢化による従業員の高齢化や次世代を担う人材不足が大きな問題となっています。

 

人材不足による影響で、高い評価を得てきた高品質なものづくりが難しくなってきているのが現状です。限られた人員で高品質を保ち、効率的な運営を行うことは、製造業界全体の課題となっています。

AIは製造業が抱える課題を解消する方法の1つ

日本のものづくりの課題を解消するためのソリューションとして注目されているのが、AIの活用です。これまで人材に頼っていたスキルをAIが代替することで、製造業の人材不足をはじめとする課題を解消します。

 

人間の作業をAIに置き換えるだけにとどまらず、自己学習能力によって高いスキルを持つ人材と同様の業務ができるようになり、さらなる効果を生み出します。AIと製造業の親和性は高く、すでに導入し大きな効果を得ている企業も少なくありません。

 

ものづくり現場でのAI活用方法

 

製造業にAIを導入している事例は多く、経営や資材の発注、生産管理、製造現場とさまざまな場面で活用されています。その一例をチェックしていきましょう。

データ収集による開発や設計

開発や設計は、製品の根幹となる重要なポイントです。開発や設計でAIを活用すると、消費者のニーズや問い合わせなどのデータから、消費者が求めているものを検知できます。これまでとは異なる視点を含んだ製品開発により、競争力を高めることにもなるでしょう。また、過去のデータを取り込むことで支援ツールとして応用も可能です。

生産ラインの自動化や省人化による生産性の向上

製品の組み立てや搬送、加工といった生産工程では、すでにAIが多く活用されています。生産ラインや製造工程の自動化や省人化で、生産性が向上し、製品の品質を一定に保てるという側面もあるでしょう。人の手による作業を最小限に抑えることで、従業員はより付加価値の高いの業務に注力でき、ものづくり全体の効率が高まります。

機械の異常検知や故障予測

検品や品質検査の工程は、AIを導入しやすい領域です。AIの画像解析技術を活用すれば、生産ラインの不具合を高い精度で検知でき、正確性を高めることができます。事故の未然防止に加え異常事態も早期に検出できるため、迅速な対応につながるでしょう。

 

製造業×AI活用のメリットは?

 

製造業におけるAI活用のメリットには、以下のような点が挙げられます。

属人化や後継者不足の問題を解消する

AIの活用による大きなメリットは、労働人口の減少やスキルを継承する後継者不足の問題を解消できること。ベテラン技術者の経験をもとにした作業には、特定の技術者に依存する、いわゆる属人化してしまうというデメリットがあります。

 

AI活用により機械に任せられるようになれば、属人化を防げることに加えて、より少ない人材で対応できるようになるでしょう。労働力不足を補うことにもなるので、従業員の満足度にもつながります。ひいては人材流出の防止にも役立つでしょう。

生産力を高めることができる

AIの活用により、これまで人の手で行っていた業務をスピーディーに、かつ正確に行えるため、生産性がアップします。メンテナンス時間を除き、休みなく稼働し続けることができるのも、AIならではの特徴です。省人化や無人化できる業務であれば、人材不足を補うことにもなるでしょう。

 

現在日本のものづくりにおいて、国際競争力も課題の1つ。生産をAIに任せることで、新しい技術や製品開発に力を入れられるので、国際競争力を高めることにもなるかもしれません。

製品の品質を一定に保つことができる

AIを品質の安定化に役立てることもできます。例えば、目視検査の場合、技術者の経験値や能力により精度にばらつきが生じる可能性があります。同じ技術者でも、疲労やコンディション次第で差が出ることもあるでしょう。

 

AIを活用することで、見逃しや確認漏れといったリスクを防ぐことができ、検査精度がバラつく心配もなく一定の品質を保つことができます。人の目では見落としてしまうような微細な傷も識別できるなど、検査品質の向上も期待できるでしょう。

 

製造業×AI活用の課題は?

 

AI導入に踏み切る前に、クリアにしておきたい課題があります。どのような問題があるのか確認していきましょう。

導入コストがかかる

AIを導入するためには、莫大なコストがかかるケースがあります。場合によっては生産ラインすべての設備を一新する必要もあるかもしれません。関連設備と連動するパソコンやタブレット端末の導入により、さらなる費用が必要になることもあるでしょう。

 

長い目で見ると生産コストや人件費の削減が見込めるため、一時的なデメリットといえますが、一時的なコスト増加をどうまかなうかという問題があります。

AI知識を持つ人材が必要

AIを効果的に活用するためには、AIに精通した人材が欠かせません。AIの知識を保有しつつ生産ラインへの理解も深いのが理想的ですが、どの業界においてもデジタル人材は不足傾向にあります。

 

社内教育に注力する、新たにデジタル人材を採用する、外部に委託するといった方法を検討する必要がありますが、どのように確保するかは、大きな課題となるでしょう。

運用には大量のデータが必要

AIの自己学習能力を最大限活用するためには、質の高いたくさんのデータが必要です。適切なデータがなければ細かく分析することができず、AIの運用がうまく軌道に乗らない可能性もあります。導入前にはAIに任せる範囲を定め、どのようなデータを収集する必要があるかを明確にしていかなくてはなりません。

 

データ項目が精査できたら、継続してデータ収集を行う必要があるでしょう。データ集計と分析のハードルの高さが、AI活用に踏み切れない要因の1つです。

 

最後に

 

製造業におけるAI導入にはたくさんのメリットがありますが、費用がかかる、デジタル人材がいない、収集データが少ないなど、すぐに踏み切るのが難しいケースも少なくありません。AIを活用するために、まずは現場情報をデジタル化することが必要です。

 

当社の「MENTENA(メンテナ)」はデータ管理を安定した品質で記録・蓄積することができ、一元化したり進捗管理を見える化できたりと、業務上のさまざまなデータを収集するのにも役立ちます。専門スタッフが詳しく説明するので、お気軽にお問い合わせください。

 

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