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2024.12.11

製造業における労働災害の種類5選と効果的な防止対策

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製造業における労働災害は、適切な対策をとれば95%以上を防止することが可能といわれています。

この記事では、製造業で発生しやすい労働災害の5つの種類とその具体的な防止対策、種類に関係なくすべての労働災害を防止するために行うべき一般的な対策について、詳しく解説していきます。

製造業の管理者や経営者の方は、ぜひこの記事を参考に労働災害の防止対策を見直してみてください。

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目次

製造業に多い労働災害

ここでは製造業に多い労働災害と、その防止対策を紹介します。

種類①はさまれ・巻き込まれ事故

製造業でもっとも深刻な労働災害の1つが、はさまれ・巻き込まれ事故です。

 

この種類の事故は、主に回転する機械部分や製造ラインでの作業中に発生します。
特に危険なのは、コンベアベルトやプレス機での作業時です。

 

技術者が機械に接触する瞬間的な事故だけでなく、作業服の一部が巻き込まれ、重大な事故につながるケースも少なくありません。

はさまれ・巻き込まれ事故の防止対策

はさまれ・巻き込まれ事故を防ぐためには、機械への安全カバーの設置が不可欠です。

 

また、作業者が機械に近づく際の安全手順を明確に定め、それを徹底することも重要です。特に、メンテナンス時には必ず機械を停止し、電源を遮断するなどの基本的な安全手順を遵守する必要があります。

種類②転倒災害

工場内での転倒は軽微に思われがちですが、実際には深刻な結果をもたらす可能性があります。
特に高齢の作業者が転倒した場合、骨折などの大きなけがにつながってしまうかもしれません。

 

転倒災害の主な原因は、

 

  • ・床面の油や水による滑り
  • ・整理整頓の不備によるつまずき
  • ・急いでいる際の不注意

 

以上の3つです。

転倒災害の防止対策

転倒災害を防ぐためには、定期的な清掃活動によって、転倒の原因となりうる床面の油や水を取り除く必要があります。
さらに、通路に滑り止め対策を施すのも効果的です。

 

また、つまずくようなものを床に置いておかないように、常に整理整頓しましょう。
作業場所の照明を十分に確保することで、周囲の状況を把握しやすくする工夫も重要です。

種類③有害物質による健康障害

製造業における重要な課題の1つが、有害物質による健康障害です。
即時に症状が現れないケースも多く、気付くまでに時間がかかってしまう点がやっかいです。

有害物質による健康障害の防止対策

有害物質による健康障害を防止するために、化学物質や粉じん、有機溶剤などを扱う作業場では、適切な換気システムの設置が不可欠です。

 

また、作業者には定期的な健康診断を実施し、早期に異常を発見できる体制を整えることが重要です。
同時に、有害物質の取り扱いに関する正しい知識と、適切な保護具の使用方法について、定期的な教育も実施する必要があります。

種類④重機・フォークリフトによる接触事故

重機やフォークリフトを使用する現場では、接触事故が頻繁に発生しやすい傾向があります。
特に狭い通路での作業や視界が悪い場所での運搬作業中に、他の作業員や物に衝突する危険性が高まります。
このような事故は、運転者だけでなく、周囲の作業者にも大きな危害を及ぼす可能性があるため、特に注意が必要です。

重機・フォークリフトによる接触事故の防止対策

接触事故を防ぐためには、作業エリアのゾーニングや適切な標識の設置が重要です。
運転者の視界を確保するために、ミラーやカメラを設置することも効果があります。

 

さらに、フォークリフトの運転者には安全運転の教育と訓練を実施して、作業者には危険エリアに近づかないように指定された通路の使用を徹底させる必要があります。

種類⑤落下物による災害

落下物による災害も製造業における代表的な労働災害の1つです。
高所での作業中に工具や材料が落下したり、棚に積まれていた物が崩れて下にいる作業者に当たったりして、負傷につながることがあります。

落下物による災害の防止対策

落下物による災害を防ぐためには、まずは物の落下を防ぐ環境を整えることが重要です。
棚やラックを過剰に積載せず、定期的な整理整頓を行い、高所作業時には工具や資材を確実に固定するよう徹底しましょう。

 

また、物が落下してしまった場合を想定した対策も必要です。
作業者には、落下物から身を守るためのヘルメットの着用を義務付けるようにしましょう。

 

ちなみに、ここまで紹介してきた労働災害のなかにはヒューマンエラー(人為的ミス)に起因したものも多くあり、労働災害だけではなく、不良品の発生や多大な損失につながることもあります。こちらについては製造業におけるヒューマンエラー対策をまとめた記事がありますので、よければご覧ください。
>>ヒューマンエラー対策10選!製造業の現場でよく起こるポカミスを防ぐには

製造業の労働災害を防止する一般的な対策

ここまでは労働災害の種類に合わせた対策について紹介しましたが、ここからは種類に関係なくすべての労働災害の防止に効果的な対策について紹介します。

対策①安全管理体制の確立

労働災害を防止するには、まず適切な安全管理体制を確立しましょう。

 

安全管理者の選任は法令で定められていますが、それ以上に重要なのは、管理者だけでなく現場の作業者一人ひとりが安全に対する高い意識を持つことです。
単なる形式的な体制づくりではなく、技術者全員に実効性のある仕組みを構築する必要があります。

対策②設備と作業環境の定期的な点検・整備

労働災害を防止するためには、設備や作業環境の定期的な点検と整備による安全な作業環境の維持が欠かせません。

 

老朽化した機械や装置の不具合は重大な事故の原因となるため、定期的なメンテナンスを行い、安全な状態を保つことが必要です。
また、作業環境を点検して、床面の滑りやすさや照明の明るさ(照度)、通路の障害物の有無など、作業者の安全を脅かす要因を取り除くための対策を講じることも効果的です。

 

関連記事:
>>設備老朽化が引き起こすリスクとは?早期に発見するための対策と発見時の対応方法
>>工場に必要な照度の基準は?労働安全衛生法とJIS規格の基準の違い

対策③実践的な技術者育成

労働災害を防止するには、安全教育も重要です。

座学だけでなく、作業現場での実践的な訓練を組み合わせることでより効果が増します。

 

特に新入社員に対しては、基本的な安全ルールの説明から始め、実際の機械操作まで、段階的な教育プログラムを実施することが重要です。

 

また、ベテラン技術者向けにも教育を実施することで、職場全体の安全レベルを維持・向上させることができます。
安全意識の再確認と、新しい安全技術や規制に関する情報提供を定期的に行いましょう。

 

関連記事:
>>製造業の人手不足には人材育成が重要!効果的に行うためのポイント7つとは?

対策④リスクアセスメントの重要性

効果的な労働災害防止には、体系的なリスクアセスメントも不可欠です。

 

リスクアセスメントとは、作業工程や設備の危険性を事前に評価し、適切な対策を講じるプロセスです。
「作業工程における潜在的な危険の特定」「危険の重大性と発生可能性の評価」「具体的な改善策の立案と実施」の3点に特に注意を払って実施する必要があります。

 

関連記事:
>>製造業におけるリスクアセスメントとは?進め方や事例、書き方を紹介

対策⑤最新技術の活用

労働災害の防止対策として、近年では、IoTやAI技術を活用した新しい安全対策が注目を集めています。
例えば、センサーによる危険検知システムや、ウェアラブルデバイスを用いた作業者の健康管理などが挙げられます。

 

ただし、これらの技術はあくまでも補助的なツールであり、基本的な安全対策の徹底がもっとも重要であることを忘れてはいけません。

 

関連記事:

>>設備更新とは?更新時、更新後の課題や延命化との違いを詳しく解説

最後に

製造業における労働災害の防止は、企業の最重要課題の1つです。
適切な安全対策の実施は、技術者の安全を確保するだけでなく、企業の生産性向上にも大きな影響を与えます。

 

安全な職場づくりは、決して終わりのない継続的な取り組みです。
この記事で紹介した対策を参考に、各企業の状況に応じた効果的な安全管理体制を構築し、労働災害のない職場づくりを目指していただければ幸いです。

労働災害の防止対策として設備保全システムを活用

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設備の状態をリアルタイムで把握することで、トラブルの予防やメンテナンスの最適化を実現し、労働災害のリスクを大幅に低減します。
さらに、定期点検のスケジュール管理や異常検知の自動化により、事故の発生を未然に防ぎ、安全安心な作業環境づくりをサポートします。

 

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MENTENA編集部

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MENTENA編集部

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