お役立ち記事
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2024.08.22
どの業界でも人為的なミスや設備不良などは起こってしまうものです。しかし、トラブルをそのまま放置すると、同じ問題が起きたり、さらに大きなトラブルに発展したりすることも。そのため、製造業の現場ではトラブルが発生した場合には、不具合報告書を作成します。 不具合報告書の作成方法や内容は企業によって異なりますが、不具合を解決するために欠かせません。そこで今回は、不具合報告書の意味や作成の目的、方法や記載事項に至るまで解説します。すぐ活用できる不具合報告書の無料テンプレートもプレゼントしますのでご活用ください。
目次
まずは不具合報告書とはどういうものなのか、一般的にはどのような形式で作成するのか確認しましょう。
不具合報告書とは、名前のとおり不具合の状況や経緯などを報告する文書です。設備やサービスの問題点を記録します。経過報告書や障害報告書、対策書など、企業や業種によって呼び名が違うこともあります。
具体的には、どのような不具合が起きているのか、原因は何なのか、どのような対策が必要なのかを記載します。社内向けの報告書ではありますが、取引先に提出する場合もあるでしょう。
不具合報告書は、主に紙で運用されています。担当者が一から文面を考える方式や、あらかじめテンプレートを作成して必要な箇所を入力する方式などがあります。最近はパソコンやタブレットなどから確認できるように、電子帳票へと移行している企業もあります。
次に、なぜ不具合報告書を作成するのか理由を考えていきましょう。
不具合報告書では、どのような製品やサービスで不具合が起きたのかを詳しく記すため、製造に関わった部署や担当者に正確かつ迅速に事実を報告できます。また、他部署や他拠点の人にも発生した事例について共有が可能です。
不具合報告書の作成が遅れてしまうと、製品やサービスで起きている不具合に気付けずトラブルやクレームの原因になることもあるため、できるだけ早めに作成・提出するほうがよいでしょう。
不具合報告書の作成ではトラブルの内容だけではなく、原因や今後の対策についてもふれます。どうすれば同じようなトラブルを防げるのか、どの部分が問題を抱えていたのかを詳しく検証することで、再発防止に活かせるでしょう。
また、これまでにどのような不具合が起きていたのかなど、不具合報告書で記録を振り返ることができるため、製品開発の際に役立てることも可能です。
不具合報告書をもとに見直された製品は、以前よりも質のよいものになっていることでしょう。トライアンドエラーによって洗練されるためです。結果、品質向上や作業の効率化につながり、無駄を省けます。
また、別のトラブルが起きた際に、過去の不具合報告書を確認することで解決策のヒントを見つけられることもあるでしょう。
開発途中の製品の不具合であれば社内で解決できますが、販売中の製品に不具合が起きている場合、不良品の対処だけではなく顧客への信頼回復もしなければなりません。
不具合報告書を作成すれば、どのような経緯でトラブルが起きたのか情報を開示することが可能になります。今後の対策など真摯に対応すれば信頼回復につなげられるでしょう。
ここからは不具合報告書作成時に必ず記載したい内容を紹介します。いくつかありますが、どれも大切な項目のため、記載理由とともに押さえておきましょう。
「文章を読めば、どのような不具合が起きたのかわかるのでは」と感じる方もいるでしょう。しかし、タイトルで不具合報告書の内容が理解できるものと、できないものがあるとしたらどうでしょうか?
きっとタイトルを見れば内容を理解できるほうが効率的で、読み手も理解しやすいはずです。だからといってタイトルに情報を詰め込み過ぎると、読みづらくなります。
できるだけ簡潔に、それでいて不具合報告書の内容が伝わるタイトルをつけるようにしましょう。
発生日時の記載も必要です。いつからトラブルが始まったのかがわかると、原因をつきとめやすくなることもあります。また、トラブルが断続的に起きる場合は、「〇年〇月〇日~〇年〇月〇日」など期間を記載しましょう。
不具合が解消された場合には、復旧日を記載することも忘れてはいけません。
不具合報告書は、宛先と差出人の記載も必須です。宛先が社内であれば提出先の担当部署名や担当者の名前、社外に提出するのであれば相手先の会社名や部署名などを記載します。
不具合報告書を作成したのが誰なのかわからなければ、万一書類に不備があった際に修正できません。そのため、必ず差出人として作成者の名前や部署名、連絡先を記載しましょう。社外に提出する際は、自身の会社名も記載します。
不具合報告書の肝になる部分は、不具合の内容と原因です。どのような不具合が起こっているのか、考えられる原因を含めて記載しましょう。
仮に、不具合の原因が操作ミスだった場合、表面的な原因だけではなく、なぜミスが起きたのかを深く考えて記載したほうが、次回失敗しないようしっかり究明していることが読み手に伝わりやすくなります。
どのような不具合なのかにもよりますが、製品の不具合であれば図面や写真を用いると読み手が状況を把握しやすくなります。また担当部署以外の人が読んでも理解しやすくなるため、情報共有しやすいでしょう。
不具合報告書は、今後の対策について考える役割もあります。原因を細かく分析し、どうすれば不具合を防げたのか、また何をすれば今後同じことを起こさずに済むのかなどを考えて記載しましょう。
現場の意見も取り入れつつ部署内で話し合うなど、問題点をしっかり解決する取り組みが必要です。
最後に、不具合報告書作成時に注意したいことを紹介します。
不具合報告書は、関係する部署の人だけが読むとは限りません。専門知識のない部署の方が読む場合もあります。そのため、できるだけ専門用語を使わず、誰が読んでも理解できるような内容にしなければなりません。
また、ダラダラと文章を書いてもわかりづらくなるだけです。簡潔でありながら必要な情報を網羅しているような書き方をする必要があります。
そこで意識したいことは「5W1H」です。いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の内容を含めるようにしましょう。
例えば、「部品Aの一部が欠けた」というのと、「部品A裏面の右上部が欠けた」ではどちらが伝わりやすいでしょうか?おそらく後述の例のほうがイメージしやすいです。
簡潔に書きたいあまり短い文章にしてしまうと、正しい状況を把握できません。不具合を生じるに至った背景や不具合の部位などについては、できるだけ具体的に書くほうがよいでしょう。
そうすることで誰もが理解しやすくなり、原因の特定や対処法を考えやすくなります。
不具合報告書を単に「作成しなければいけないから」という理由で作ると、また同じようなミスを起こすかもしれません。不具合報告書は、同じことを繰り返さないために作成するものです。
不具合が起きた原因と真摯に向き合い、なぜ起きたのかしっかり考えるようにしましょう。また原因は1つとは限りません。いくつかの要因が複合的に絡み合っている場合もあるため、さまざまな視点から原因を突き止めていきましょう。
不具合報告書の作成では、不具合の原因に目を向けて同じことが起きないよう対策を考える必要があります。また、誰が読んでもわかるように必要な情報を具体的に書きつつ、簡潔にまとめることも大切です。ただ形式が決まっていないと、技術者によって内容にムラが出てしまうこともあります。必要な情報をもらさずまとめるためには、不具合報告書のテンプレートを用いて作成するとよいでしょう。
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執筆者
MENTENA編集部
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