お役立ち記事
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2024.08.02
製造業などでよく使用されている作業指示書は、作業漏れや情報の伝達ミスを防ぐために欠かせないアイテムの1つ。正しく運用することで、作業の正確性や効率性は大幅にアップします。そこで今回は、作業指示書の目的や利用場面、記載すべき基本項目などを詳しくご紹介。すぐに活用できる作業指示書の無料テンプレートもプレゼントしておりますので、生産性向上を目指す企業担当者さまは、ぜひお役立てください。
目次
作業指示書とは、作業の正確性・効率性を高めるために作成する書類のこと。現場で行う作業内容について、手順や工程などの指示が詳しく記載されており「指示書」や「業務指示書」と呼ばれることもあります。製造業をはじめ、幅広い業界で活用されていますが、特に作業が複雑なときや繰り返し同じ作業を行う場面で役立ちます。
製造業で作業指示書を利用する目的は、主に3つです。
作業指示書には、手順や工程などの指示が誰にでもわかるように記載されています。つまり、指示通りに作業すれば、ミスや納期遅れを防げるということ。また、経験の浅い担当者が作業に取り組む場合でも、混乱を招くことなく業務を遂行しやすくなります。作業指示書は、作業を正確かつ効率良く進めるための重要な役割を担っているのです。
作業指示書は、教育にかかるコストの削減にも寄与します。手順や工程が複雑な作業を口頭で説明するには大幅な時間がかかりますが、作業指示書を使えば短時間で作業員に理解してもらいやすくなるからです。
作業の流れや注意点といった基本的な作業内容に対する理解が深まれば、大規模な研修の場を設けるといったコストを削減していくことができます。うまく運用できれば、業務と並行しながら個別指導やOJTをスムーズに実施できるようになるでしょう。結果として、新人作業員の即戦力化につなげられるほか、教育にかかる時間やコストの削減が見込めるのです。
製造現場では多くのケースにおいて複数の担当者が関わっていますが、作業内容を口頭で伝達しようとすると、伝言ゲームのように認識齟齬が起きやすくなります。
しかし、作業指示書を使えば、よりスムーズかつ正確な情報伝達・情報共有が可能です。作業指示書には進捗状況やトラブルの有無など、作業に関することが文章として正確に記録されています。作業員が交代したとしても記載内容を理解するだけで済むため、申し送りを人に伝えてもらう必要がありません。結果として、認識齟齬によるミスがなくなります。
作業指示書には、使われる業界・現場によっていくつかの種類があります。
デザイン指示書は、システム開発の現場で活用されている作業指示書です。プログラマーやデザイナーを対象に、システムの開発目的やターゲット、要求されるデザインなどが具体的に記されています。デザイン指示書は、工程ごとに担当者が分かれているような場面で、イメージを共有しやすくするためのものです。プロジェクトの特性や要件に合った指示書を運用することで、作業効率や品質の向上が期待できます。
工事指示書は、建設などの工事現場で活用されている作業指示書です。一般的には一次請け企業が作成したものを、元請け企業と工程の打ち合わせなどをする際にすり合わせます。そして不備が修正されたものを各請負業者に伝達。これにより、スムーズに現場で連携できるようになるため、工事の品質や安全性の向上に大きく役立ちます。
運行指示書は、運送業界で活用されている作業指示書です。運行管理者がドライバーと運送計画を共有するために用いられています。特に長距離運送をメインの業務としている企業では、運行管理者とドライバーが対面できないケースも珍しくありません。そういった場合に運行指示書があれば、出発地や経由地、目的地、休憩地、到着予定時刻などを明確に伝達できます。なお、運送業界では運行指示書の作成や携行、保管期間などが法律で義務づけられています。
作業指示書に記載する内容や書式に明確な決まりはありませんが、一般的には以下のような項目がよく盛り込まれています。重要な点は、書き手と読み手が共通で使用する言葉を用いることです。
作業名とは、作業につけるタイトルのこと。タイトルは、作業の取り違えを防ぐ目的を持つため、作業内容が具体的かつ簡潔に伝わるよう配慮することが重要です。見るだけで想起できる明確な作業名を記載できれば、作業指示書の保管や検索の際も無駄な手間を省けるようになります。
作業指示書には、作業の担当者・責任者の名前を書く必要があります。現場担当者の名前を記載しておけば誰宛ての文書なのかが明確になるため、責任の所在を明らかにできます。
また、作業責任者の名前を明示するのは、作業中に何らかのトラブルが発生した場合でも、スムーズに報告・連絡・相談できるようにするため。担当者・責任者名と併せて電話番号やメールアドレスも記載しておくとよいでしょう。
問題が発生した場合の問い合わせ先として、機能する項目です。また、作業の進捗や完了報告が必要なときにも利用します。担当者・責任者名と同様に、連絡先も明示しておくと便利です。なお、依頼者名を企業名にするのか個人名にするのかは、必要に応じて使い分けるとよいでしょう。
作業日・作業期間は、作業の遅延を防ぐ目的で記載します。「いつ作業するのか」「いつまでに何を終わらせるのか」を具体的に記載することがポイントです。作業にかかる時間やスケジュールが明示されていれば、作業者は時間配分を考えやすくなります。計画的に生産を進めるうえで、欠かせない項目です。
この項目には、作業の実施場所を記載します。作業員が現場を正確に把握し、速やかに作業に取りかかれるようにするためです。なお、作業場所が地図などで特定しにくい場合は、住所と併せてアクセス方法をわかりやすく記載しておくとよいでしょう。作業員が迷うことなく目的地に到着できるようになれば、作業遅延を防げます。
作業内容の項目には、作業手順や内容を詳細に記載します。「何をどうするか」「どのような作業をするか」という具合です。時系列に沿う・項目ごとに見出しをつける・箇条書きを活用する・図表を用いるなどの配慮があれば、よりわかりやすくなります。大切なのは、読み手がきちんと理解できるかどうかです。
また、場合によっては作業目的や作業人数、使用予定の工具・機器、作業時の注意事項などを記載したほうがよいケースもあります。実際に行う作業内容に合わせて、適宜工夫が必要です。
作業の進捗を、担当者本人が記入するための項目です。「作業にどれくらいのリソースがかかったか」「発生したトラブルはあるか」など、申し送り事項が細かく記入できるようにしておきましょう。この項目は、進捗状況以外にも作業指示書と実績に乖離が起きていないかを確認する目的も持ちます。担当者からのフィードバックを、次回の作業の段取りを組むときに活用できれば、さらに運用効率は高まるでしょう。
紙でアナログ管理されることも多い作業指示書ですが、より効率良く運用するには、「MENTENA(メンテナ」がおすすめです。
MENTENAとは、脱Excelやペーパーレス化を実現する設備保全システムのこと。クラウド上への写真・資料添付やテキスト入力で情報を共有できるため、時間や場所を選ばずに利用できる・作業指示書の作成や上書きが容易・見やすさが書き手によって左右されないといったさまざまなメリットがあります。作業負荷を軽減し、業務効率を高めたい多くの企業さまから選ばれているサービスです。
作業指示書の運用で業務効率化や生産性向上を目指す場合は「漏れなく」「わかりやすく」「具体的に」記載することがポイントです。作業指示書には、作業員に短時間で内容を理解してもらい、作業効率を高める狙いがあります。わかりにくい内容や作業指示書そのものに漏れがあれば、正しく運用することはできません。ぜひこちらで用意しているテンプレートやMENTENAをご活用・検討いただき、運用効率の最大化を実現してください。
執筆者
MENTENA編集部
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