導入事例
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株式会社すぎはら
製造業 自動車内装部品
自動車のフロアマット、カーペットなどを製造する株式会社すぎはら様は、より正確で効率的な点検・保守業務を進めるための貪欲さと向上心にあふれています。抱えているさまざまな問題を解決する糸口として、「MENTENA」の導入をご決断いただきました。
MENTENA導入前
MENTENA導入後
私たち株式会社すぎはらは、自動車の内装部品であるフロアカーペット、フロアマット、インシュレーターやトランク周りの各種パーツ、重機などの内装部品、作業服をはじめとする繊維製品などを製造し、そのほとんどを自動車メーカーのマツダ様に納品しています。1923年の創業以来、独自に高めた熱冷金型プレス技術を活かして各種繊維製品を製造する企業として、その技術を進化させながら、日本の自動車産業に貢献することを目指して業務を続けています。
広島市内の本社工場を含め、日本国内の製造拠点は4か所、海外に関連会社3拠点を構えています。お客様のニーズにもれなくお応えし、高品質な製品の安定供給を担うためには、各工場が常にトラブルなく、水準を保って稼働を続けることが不可欠です。現在当社では日勤3名、夜勤2名の保全担当者が常に各拠点の状況を把握。日常点検、週次点検、年次点検を通じて製造ラインをチェックし、トラブルを極力未然に防ぐ体制を構築しています。また、計画保全や突発故障時に交換した部品をメンテナンスし、予備品として管理するという業務も行っています。
製造ラインに何らかの問題が発生した、あるいはその予兆があった場合には、当然のことながら速やかで迅速な対応が求められます。修理や点検をメーカーに依頼する場合もありますので、見積もり依頼などの作業も生じます。トラブルを防ぐための日々の点検という見地で言うと、現在の製造ラインの状態は正常なのか、もし製造機器に異常の傾向があるのであれば、「それはいつから続いているのか」など、点検履歴をもとにしたスピーディーな状況判断も重要です。
かつて当社では、こういった点検時に確認した各種情報をエクセルに入力し、紙ベースで管理するという手法をとっていました。点検の担当者は、過去の点検履歴がまとめられたファイルを片手に点検を行うという形です。そのファイルにまとめられるのは、多くても2カ月分程度ですから、ファイルに収まりきれなくなった資料は、古いものから順に別途保管されます。
作業的に非効率的であるのはもちろんですが、この手法の最大のデメリットは、履歴を振り返りにくいという点です。注視すべき傾向がいつから始まったのか、あるいは、過去に部品を交換したのがいつだったのか、といった情報が手元のファイルではわからないとなると、保管されている資料を引っ張り出して確認しなくてはならない。手間がかかるだけでなく、必要以上に時間がかかることによってその後の一連の保守作業にも支障が出ます。例えば、異常の傾向に対する判断の遅れ、修理をお願いする外部メーカーへの発注の遅れ。故障の周期などを正確に分析できないのも大きな問題でした。それらを踏まえて、点検から保守に至るまでの環境を早急に改善する必要がありました。
まず着手したのが、点検に関する情報のデータ化です。紙のチェックシートをエクセル化し、情報として持ち歩き、随時確認できる他社のツールを導入したことで、ひとまずペーパーレス化には成功。履歴の振り返りについても、より簡易に行えるようになりました。しかし、このツールではデータの一元管理までは出来なかったため、これによって問題のすべてが改善されたわけではありませんでした。
点検から保守に至る流れは、複数の人員がかかわり、状況や対応スケジュールを確認し合うことで進んでいきます。各人の確認のタイミングがずれることによって作業に遅れが生じますし、時には「誰が、いつ、対応したのが明確でない」という事態に陥り、結果として放置されてしまうことさえあります。実際、こういったミスや遅れは情報のデータ化以降も続いており、人の目と記憶だけで情報を管理することに限界があることは明白でした。
そこで、さらに進んだ体制づくりを推し進めるために、依然として抱えている問題を洗い直しました。間違いなく作業を進めるには、点検データを複数の関係者が同時に把握・確認するためのクラウド環境が必要ですし、置かれている状況や保守計画の進捗を一覧できる管理機能も不可欠です。私たちが必要だと思える機能をすべて盛り込んだシステムを発注するという案もありましたが、初期費用で1000万円、バージョンアップや年間の維持費で数百万円の予算がかかるとなると、直ちに導入する決断はできませんでした。
そんな折、当社で購読している日本プラントメンテナンス協会が発行する雑誌「プラントエンジニア」にて、問題解決につながるかもしれない、気になる広告を見つけました。それが「MENTENA」との出会いです。最初に受けた印象は、私たちのやりたいことと、「MENTENA」でできることが一致している、ということでした。早速、提供元である八千代エンジニヤリングさんにコンタクトをとり、導入の検討に入りました。こちらのニーズにしっかり耳を傾けていただけましたし、受講したオンラインセミナーで挙げられた事例などを聞いても共感できる部分が多く、導入への流れが一気に加速したと感じています。
「MENTENA」には、私たちが「何とか改善したい」と考えていた部分をクリアにするための機能が詰まっています。長らくの懸案であった、「データの管理が容易になる」ということは重要な要素であるうえに、それをどこにいても閲覧することができる。その利便性は言うまでもありません。また、簡単かつスムーズに現状や保全計画を「見える化」できるという点も、私たちにとって非常に大きなメリットになります。結果として必要な履歴をすぐに引き出し、スピーディーに対応スケジュールを進めることが可能になり、トラブルを未然に防げる可能性はグッと向上します。これまで、煩雑であるがゆえに発生した作業の遅れや見落としも、「MENTENA」の活用によって大幅に減少できるはずです。
データベースとしての機能にも期待しています。他社のツールを使用していた時は、膨大なエクセルデータを保存し続けることで、サーバの容量が足りなくなる、あるいは、データの重さでPCが思うように動作しないという事態もありました。広島工場と熊野工場、その2つの工場の日報データを合わせて保存できないために、別のサーバを立てる必要があったほどです。データ量にかかわらず履歴を蓄積できるということは、データの一元化を含めた作業効率のアップにつながると思います。
履歴のフォーマットについても、これまで以上に見やすく、活用しやすいものに変わっていきそうです。かつては、故障個所や処置の状況をほぼ文章のみで伝達する必要がありましたが、「MENTENA」の活用によって、画像入りでわかりやすい情報へブラッシュアップされます。これは保全業務がより効率的になるだけでなく、事例が写真入りで蓄積されていくことで、将来的に業務にかかわる社員が使うべき明快な「参考書」が積み重なっていくことも意味します。人材育成や引き継ぎと言った業務についても、好影響を与えてくれそうです。
現段階では、保守を担当するメンバーを中心に、「MENTENA」の使い方を周知し、業務の正確性の向上、効率化を図ろうとしているところです。今後は、導入によるメリットを明確にし、導入前との比較を明確化したうえで、ゆくゆくは保守に留まらず、製造エリア全体で活用していくことを目指します。製造各部門の社員とのコミュニケーションによって、保全サイド、製造サイドの双方向から情報を共有できる仕組みづくりを進め、数年後には製造担当者による日常点検の情報も「MENTENA」によって管理できるようになるのが理想です。
現状は広島本社工場のみでの導入ではありますが、もちろん、最終的には各工場が連携し、情報の共有や遠隔での対応なども可能にしていこうと思っています。多くのユーザーがかかわる中で、より効果的な活用法を見出していければとも思います。課員である主任、リーダーからも、「『MENTENA』をうまく使いこなしていきたい」という前向きな声も上がってきていますので、今後の展開が非常に楽しみです。
株式会社すぎはら
車両(自動車、建設機械、農機具)の内装部品を製造する株式会社すぎらはらは、マツダ株式会社の自動車製造をサポートする、地場63社からなるプロフェッショナル集団「東友会」の一員です。マツダの内装シェア100%、主力のカーペット、トランクパーツでは西日本シェアNo.1を誇ります。2023年に100周年を迎える老舗企業でありながら、2013年にはさらなる100年後の未来を見据え、人とのかかわり、仕事とのかかわりをより能動的に捉えるための「ビジョン100」を提唱。常に新たなチャレンジを忘れることなく、躍進を続けています。
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