導入事例
導入事例
阪部工業株式会社
製造業 鋳物製品の製造・精密加工メーカー
愛知県西尾市に拠点を構える阪部工業株式会社さまは、2024年現在4つの工場で鋳鉄製品の製造から加工までを一貫して手掛けるものづくりメーカーです。今回保全業務の効率化を目的にMENTENAを導入いただいたのは、中型から小型の鋳鉄製品の製造を手掛ける上矢田第一・第二工場。7人体制で2つの工場を支える保全グループは、昼勤・夜勤の二交代制のため、担当者間の情報共有も課題でした。今回MENTENA導入のきっかけや、導入後の効果や変化について、谷さまに伺いました。
MENTENA導入前
MENTENA導入後
阪部工業株式会社(以下、当社)の保全管理グループでは、工場内の設備保全履歴は1つのエクセルで管理していました。情報を一元化することが目的でしたが、エクセルデータを同時に複数人が入力・編集することができないことから、現場ではその日にあった保全履歴の記録に時間がかかっていました。
また、当社では工場で二交代制を導入しています。設備保全グループも日勤・夜勤の2つのシフト体制となり、昼勤と夜勤それぞれの保全担当者が、不在時にどのような作業やトラブルがあったのかを共有することにも課題がありました。
特に、今回MENTENAを導入した上矢田第一工場と第二工場の保全にあたるのは同一担当者です。保全業務では、工場内の現場で図面や過去のトラブルデータ、日報などに記載されている作業履歴を参照したい場面も多いのですが、データを探すために事務所に戻り過去記録を探し、また工場に戻って作業にあたることは日常茶飯事。移動や過去の履歴を探すことに多くの時間を取られていたのも課題でした。
社内ではDX推進が今後必要となってくるという共通認識もあったため、同業他社がどのように保全業務を効率化しているのかを知りたいと思っていました。そうした折、2023年4月に開催された「ものづくりワールド名古屋」に足を運んだところ、MENTENAの存在を知りました。
当社がMENTENAの導入を決断した決め手は、保全特化型システムとしてある程度フォーマットや仕組みが整っていたことです。保全業務は、日々の作業履歴や過去のトラブル履歴、在庫備品リストや在庫数、そして年間保全スケジュールなどのデータは大切な資産です。ですが、設備の数も膨大ですし、それに伴う予備品などの品目も多いため、どう管理していくかをゼロから構築するのは非常に大変で時間がかかります。
DXを進めるにあたって、もともと当社が使っていたエクセルデータの構造を基本に保全管理システムを構築するという選択肢もありましたが、セットアップやシステムの構築が大変そうだったことから、二の足を踏んでいました。
その点、MENTENAはすでに保全業務に必要なデータ管理や記録に関するフォーマットがある程度できあがっています。あらかじめ型が決まっていれば、当社がMENTENAの仕組みに合わせて記録方法や管理方法を変えれば良いだけでしたので、効率的だと判断しました。結果的にこの判断は正解だったと感じています。セットアップにかかる業務に時間がかかれば、日常の保全業務にも支障が出てしまいますが、今のところとてもスムーズに導入に繋げられています。
MENTENAは予備品管理に関する機能もあり、作業工数が減らせると期待できました。また、将来的に予備品の在庫管理がうまく機能すれば、部品の発注漏れなどもなくなると考えています。現在は、工場内のWi-Fi環境が整っていないので、将来的な見通しになりますが、現場からデータ入力が可能になれば作業に実施漏れや工事の発注漏れを予防でき、履歴入力業務もさらに効率化できると考えています。
1カ月のトライアル期間を経て本格導入して現在2カ月目になりますが、すでに保全グループの残業時間が減るなど効率化の成果が出てきています。当社では、作業履歴の記入からMENTENAの導入をスタートさせ、将来的に予備在庫表の作成や部品登録などを進めていく予定です。
日報などその日にあった作業内容の記録をMENTENAに切り替えることで、複数の保全業務スタッフが同時に記録できるようになりました。「今、他の人がエクセルシートを開いているので、入力するために待機する」といった無駄な時間がなくなった効果は大きいですね。また、入力時にもプルダウン機能などがあるため、記録がとてもスムーズになり、作業効率は確実に向上しています。
オンボーディングプログラムにより、導入後軌道に乗せるまで定期的にサポートがあるため、オンボーディングのスケジュールに合わせて導入・切り替えを進めています。こうしたサービス導入後のサポートも大いに役立っています。
もう1つ大きな効果を感じているのが、過去の履歴検索や部品検索機能による業務の効率化です。保全業務は過去の保全履歴などのデータが非常に大切です。ですが大きなトラブルがあった場合も、こうした記録がきちんと記録されていなければ担当者の記憶や現在の状況しか手掛かりがなく、適切な保全・修繕にあたれない可能性も出てきてしまいます。
その点、複数の資料やデータファイルを開き、過去の履歴や修理経緯、当時の原因などを探すことなくMENTENAさえ見れば過去の状況がわかるというのはとても助かります。過去のデータを探すためにかかる手間もなくなります。
当社では、導入後まだ日が浅いこともありまだまだMENTENAの機能をすべて使いこなせていないのも事実です。今後は、作業計画や予備品台帳の登録を進めて、より効率的な運用を進めていきたいと思っています。
現場の点検も、まだ紙のチェックシートに記入している場面も多いため、Wi-Fi環境を整えると同時に、現場でタブレットやスマートフォンからすぐにMENTENAへ点検記録を入力できるようにすればペーパーレス化につなげられるはずです。
二交代制という業務体制では、チーム内や関係部署間の情報共有が難しい場面も少なくありませんが、MENTENAならこうした課題を解消することができると手応えを感じています。
阪部工業株式会社
1935年創業。自動車やクレーン車などの建設機械、建築部品など幅広い分野で使われる鋳鉄製品の製造を手掛けるものづくり企業。鋳鉄素材の製造だけでなく、最終製品の機械加工部門も設け、鋳造だけでなく加工技術にも定評がある。小型部品から大型部品、量産品から非量産品まで対応できる技術力と設備環境を整えていることから、幅広い顧客に支持されている。2024年2月時点の従業員数は264名。愛知県内に4つの工場を構え、日本のものづくりを支えている。
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