
公開日:2026.01.07
更新日:2026.01.08

目次
工場や施設が当たり前のように稼働している裏側には、「設備保全」の仕事があります。
設備保全とは、工場や現場で使用される機械・設備を、常に安全かつ安定して使える状態を維持するための活動を指します。
本記事では、設備保全とは何かを中心に、目的・種類・重要性までをわかりやすく解説します。

設備保全の仕事は、役割ごとに大きく次の3つに分けられます。
1.予防保全(日常点検・定期点検)
2.事後保全(故障対応・修理)
3.改良保全(改善・更新業務)
設備保全の中でも特に重要なのが 「予防保全」 です。
予防保全とは、「設備・機械が壊れる前に保全作業を行う」ことを目的とした活動です。
システムや人の勘・経験だけに頼らない、計画的で継続的な保全が特徴で、現場の安定稼働と品質維持に大きく貢献します。
予防保全における主な作業内容は、以下のとおりです。
・設備の動作確認
・異音・振動・温度のチェック
・潤滑油の補充・交換
・消耗部品の点検・交換
・点検結果の記録・報告
これらは「故障したあとに直す」のではなく、故障や不調のリスクを下げるための先回り作業です。
設備や機械が故障・不具合を起こした後に行う保全活動のことです。
設備が停止したり、正常な性能を発揮できなくなったタイミングで修理や部品交換を行い、もとの稼働状態へ復旧させることを目的とします。
「壊れてから直す」という、もっともシンプルでわかりやすい保全の考え方が事後保全です。
事後保全における主な作業内容は、以下のとおりです。
・設備停止時の原因調査
・応急処置・修理対応
・部品交換・調整作業
・再発防止策の検討
設備が止まると生産も止まるため、迅速で冷静な対応力が求められます。
設備や機械に発生した故障・不具合を単に修理するだけでなく、 同じトラブルが再発しないように設備そのものを改善する保全活動のことです。
事後保全が「元の状態に戻す」ことを目的とするのに対し、改良保全は「壊れにくくする」「使いやすくする」ことを目的としています。
改良保全における主な作業内容は、以下のとおりです。
・故障しにくい構造への改善
・作業性・安全性向上のための改造
・老朽設備の更新計画立案
・予知保全・IoT導入の検討
現場の課題を改善することで、生産性向上やコスト削減といった中長期的な成果につながります。
製造業や工場において、設備保全の仕事は欠かせない存在です。しかし、生産や品質のように数値で見えやすい成果と比べると、設備保全の重要性は見過ごされがちでもあります。
では、なぜ設備保全の仕事はこれほど重要なのでしょうか。
設備が故障すれば、生産ラインは即座に停止します。生産停止は、納期遅延や売上損失につながる重大な問題です。
設備保全は、
・日常点検による異常の早期発見
・計画的な部品交換
・突発トラブルへの迅速な対応
を通じて、設備の安定稼働を支えています。
「何も起きない状態」を維持することこそが、設備保全の最大の役割です。
設備の不具合は、感電・挟まれ・火災などの重大事故につながる恐れがあります。
・安全装置の点検
・異常動作の防止
・老朽化した設備の改善
を行い、作業者が安心して働ける環境を守っています。安全が確保されてこそ、現場は安定して稼働します。
設備の状態が悪いと、寸法不良・加工ムラ・異物混入など、品質トラブルが発生しやすくなります。
設備保全は、
・設備精度の維持
・異常振動、温度変化の管理
・不良の原因となる設備要因の排除
を通じて、品質の安定化に貢献しています。
突発的な設備故障は、
・高額な修理費
・残業・休日対応
・納期遅延による損失
など、大きなコスト増加を招きます。設備保全による計画的な点検・保全は、長期的に見てコスト削減につながる重要な取り組みです。
設備保全は「直す仕事」だけではありません。
・故障しにくい構造への改善
・作業しやすい設備への改造
・予知保全やIoT活用の検討
など、現場の課題を解決し、生産性を高める役割も担っています。
設備保全の仕事が重要な理由は、生産・安全・品質・コストのすべてを支えているからです。設備保全は、「トラブルが起きてから評価されるのではなく、起きないことで価値を発揮する仕事」と言えるでしょう。「何も起きない状態を維持すること」こそが、設備保全の価値と言えます。

・ 機械や設備に興味がある人
・トラブルの原因を考えるのが好きな人
・コツコツと点検・確認ができる人
・現場で体を動かす仕事が好きな人
・人を支える仕事にやりがいを感じる人
・安全意識を大切にできる人
経験を積むほどスキルが蓄積され、長く活躍できる職種です。
設備保全は、入社後の教育やOJTを通じてスキルを身につけられるケースも多く、未経験からでも挑戦しやすい職種です。経験を積むことで、専門性が高まり、将来的には現場の要として活躍できます。
設備保全の仕事は、トラブルが起きたときにだけ注目されがちですが、本当の価値は「何も起きない状態」を日々つくり続けている点にあります。
生産を止めず、安全を守り、品質を安定させ、コストを抑える。そのすべてを現場の裏側から支えているのが、設備保全の仕事です。
予防保全・事後保全・改良保全をバランスよく行い、設備の状態や保全履歴を正しく把握していくことが、これからの現場にはますます求められていくでしょう。
執筆者
MENTENA編集部
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