
公開日:2026.02.19
更新日:2026.02.19

目次

ビジネスニュースや企業戦略の話題でよく耳にする「サプライチェーン」。
似た言葉に「物流」がありますが、実はこの2つは意味が異なります。
サプライチェーン:商品が届くまでのすべての工程
物流:モノを運ぶ・保管する機能
という違いがあります。
サプライチェーンを正しく理解することは、企業の経営やニュースを読み解くうえで欠かせません。
本記事では、サプライチェーンの意味や物流との違い、なぜ今サプライチェーンが重要なのかを中心に、初心者にもわかりやすく解説します。
両者の違いを整理すると次の通りです。
| 項目 | 範囲 | 対象 | 役割 |
| サプライチェーン | 原材料〜販売まで全体 | モノ・情報・お金 | 全体最適を考える |
| 物流 | モノの輸送・保管 | 主にモノ | 物理的な流れを担う |
簡単にいうと…
サプライチェーン:商品が作られてお客様の手に届くまでの「すべての工程」
物流:モノを運ぶ・保管する機能のこと

サプライチェーンマネジメント:流れ全体を最適化する経営手法
SCMとは、「作る・保管する・運ぶ」の流れをまとめてコントロールすることです。
SCMの主な目的は、主に3つあります。
→ 余分な在庫やコストを減らす
→ 欠品を防ぎ、販売機会を守る
→ 原材料不足や遅延を防ぐ
SCMは、「コスト削減」と「売上安定」を同時に実現するための経営の仕組みといえます。

では、なぜ今これほどまでにサプライチェーンが注目されているのでしょうか。
理由はとてもシンプル。モノが安定して届かない時代になったからです。
背景には主に4つの理由があります。
新型コロナウイルスの拡大により、世界各地の工場が停止し、部品や原材料の供給が止まりました。
工場が止まり、輸送ができなくなったりすると、商品が作れなくなります。すると、
・お店に商品が並ばない
・車や家電が作れない
・価格が上がる
といったことが起こります。
つまり、「作って届ける流れ」が止まると、社会全体に影響が出るのです。
今、多くの商品は海外で作られています。例えば、
・部品はA国
・組み立てはB国
・販売は日本
というように、いくつもの国をまたいでいます。
そのため、どこか1か所で問題が起きると、すべてが止まってしまいます。
便利な反面、トラブルにも弱い仕組みなのです。
最近は流行の移り変わりが早くなりました。
・急に売れる商品が変わる
・ネットで注文が集中する
・季節商品が一気に売れる
こうした変化にすぐ対応できないと、在庫が余ったり、逆に足りなくなるといった問題が起きます。
だからこそ、状況に合わせて柔軟に動ける仕組みが必要なのです。
以前は「いかに安く作るか」が重視されていました。
しかし今は、それだけでは足りません。
・商品をきちんと作り、きちんと届け続けられること
・早く対応できること
・安定して届けられること
が会社の信頼につながります。
つまり、サプライチェーンは会社の「信頼」や「売上」を支える土台なのです。

サプライチェーンを強くするとは、
「止まりにくく、ムダが少なく、変化に対応できる仕組みをつくること」です。
そのために企業が取り組むべきポイントは、大きく3つあります。
① 調達先を分散する
② 在庫の持ち方を見直す
③ 情報を見える化する
1社・1か国だけに依存していると、トラブルが起きたときに一気に止まってしまいます。
【対策】
・複数の仕入先を持つ
・国内外をバランスよく組み合わせる
・代替可能な部品設計にする
などがあります。「安さ」だけで選ばないことが重要です。
以前は「在庫は少ないほどよい」と言われていました。しかし今は、少なすぎると止まります。
【対策】
・重要部品は安全在庫を確保する
・売れ筋商品の在庫を厚めに持つ
・回転率を見ながら調整する
など、戦略的に在庫を持つ考え方が必要です。
在庫や受注、生産状況が分からなければ、早い判断はできません。
【対策】
・在庫状況のリアルタイム把握
・需要予測のデータ活用
・部門間の情報共有
これらが重要になります。
「見えないこと」が、最大のリスクになるからです。
このような取り組みが、安定した経営へとつながります。

今後は、デジタル技術の活用、国内生産の見直し、
環境への配慮などがさらに進んでいくと考えられています。
【一例】
・AIを活用した需要予測
・在庫のリアルタイム管理
・CO₂排出量の見える化
サプライチェーンは、単なる裏方の仕組みではなく、企業価値を左右する重要な戦略テーマになっていくでしょう。
サプライチェーンは、商品が作られてお客様に届くまでの流れ全体のこと。
物流はその一部であり、モノを運ぶ・保管する役割を担います。
そして今、この流れを安定させることが企業の信頼や売上を支える重要なポイントになっています。
「作る」「保管する」「届ける」をつなぐ仕組みをどう整えるか。
それが、これからの企業の競争力を左右する重要なテーマなのです。
執筆者
MENTENA編集部
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