
公開日:2026.02.10
更新日:2026.02.10

目次
医薬品・食品・化粧品などの製造現場で欠かせない考え方がGMPです。
GMPを一言でわかりやすく言うと「良い製品を、毎回同じ品質で、安全に作り続けるためのルール」です。
本記事では、これからGMPを学ぶ方に向けて、意味や目的、基本となる基準や三原則までをわかりやすく解説します。

GMPとは、製品の品質と安全性を確保するための製造管理・品質管理の基準です。
日本語では一般に「適正製造規範」と訳されます。
GMPは、最終製品の検査だけに頼るのではなく、原材料の受け入れから製造、保管、出荷に至るすべての工程を適切に管理することを重視します。
これにより、品質のばらつきやヒューマンエラー、異物混入などのリスクを未然に防ぐことができます。
GMPの正式名称は Good Manufacturing Practice です。
Good:適正な
Manufacturing:製造の
Practice:実践・規範
直訳すると「適正な製造のための実践規範」となり、世界共通で使われている品質管理の概念です。
日本だけでなく、米国(FDA)、欧州、PIC/Sなど、各国・地域でGMPに基づく規制やガイドラインが整備されています。
GMP基準とは、「どのように製造すれば、常に一定の品質を保てるか」を定めたルールの集合体です。基本となる考え方は以下の通りです。
・品質は製造工程で作り込むものである
・人・設備・原材料・方法を体系的に管理する
・問題が起きた際に追跡・再発防止ができる体制を整える
この考え方に基づき、GMPでは組織体制、教育訓練、設備管理、文書管理、変更管理などが求められます。

GMPには、特に重要とされる「三原則」があります。
これはGMPの土台となる考え方です。
医薬品・食品・化粧品など分野を問わず、GMPを理解するうえで必ず押さえるべきポイントとされています。
1. 人為的な誤りを最小限にすること
2. 汚染および品質低下を防止すること
3. 高い品質を保証するシステムを設計すること
GMPでは「人は必ずミスをする」という前提に立って仕組みを作ります。個人の注意力や経験だけに頼るのではなく、誰が作業しても同じ結果が得られる体制が重要です。
具体的な対策例
・作業手順書(SOP)を整備し、作業内容を明確化する
・ダブルチェックや相互確認を取り入れる
・教育訓練を計画的・継続的に実施する
・記録を残し、後から作業内容を追跡できるようにする
この原則により、ヒューマンエラーによる品質不良や事故の発生リスクを大幅に低減できます。
製造工程では、異物混入や微生物汚染、交差汚染など、さまざまなリスクが存在します。GMPでは、これらを未然に防ぐ設計と管理が求められます。
具体的な対策例
・製造場所を用途ごとに分け、「混ざらない・持ち込まない」環境を作る
・設備・器具の洗浄、点検、保守管理
・原材料や製品を正しい場所・温度・期限で保管する
・作業者の衛生管理(服装、手洗い、入室ルール)
完成品の検査だけでなく、「汚さない・混ぜない・劣化させない」工程づくりが、この原則の核心です。
GMPの最大の特徴は、品質を仕組み(システム)で保証する点にあります。問題が起きた場合でも、原因を特定し、再発を防止できる体制が求められます。
具体的な対策例
・作業内容や結果を記録し、誰でも後から確認できるようにする
・作り方や設備を変更する際は、品質への影響を事前に確認する
・想定外のことが起きた場合は原因を調べ、再発防止策を取る
・定期的に作業やルールを見直し、継続的に改善する
この原則により、製品の品質だけでなく、企業全体の品質マネジメントレベルが維持・向上されます。
GMP三原則は、それぞれが独立しているわけではなく、相互に密接に関係しています。
・人為的ミスを防ぐ → 汚染や品質低下を防止
・汚染防止の仕組み → 安定した品質保証
・品質保証システム → ミスや問題の再発防止
この三つがそろって初めて、「常に同じ品質を作り続ける」GMPが成立します。
GMP三原則は、個人の努力ではなく、組織として品質を守るための連動した仕組みである点が最大の特徴です。

GMPの最終的な目的は、消費者や患者の安全を守ることです。
具体的には、次のような目的があります。
・品質が一定で安全な製品を安定的に供給する
・製造上のリスクを事前に管理・低減する
・不具合発生時に迅速な原因究明と対応を可能にする
・社会的信頼を確保し、企業価値を守る
GMPは単なる「規制対応」ではなく、企業の品質文化を支える重要な仕組みと言えます。
GMPとは、「良い製品を、毎回同じ品質で、安全に作り続けるためのルール」です。
製造工程をきちんと管理し、人のミスや汚染、品質低下を防ぐことで、消費者や患者の安全を守ります。
GMP三原則は、個人の注意や努力に頼るのではなく、仕組みとして品質を守ることを重視している点が大きな特徴です。
この考え方を理解することで、GMPがなぜ製造現場で重要とされているのかが見えてきます。
執筆者
MENTENA編集部
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