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公開日:2026.01.09

更新日:2026.01.09

製造業バリューチェーンとは?基本構造から分析手法までわかりやすく解説

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目次

 

製造業を取り巻く環境が大きく変化する中で、企業が競争力を維持・強化するためには、個々の業務だけでなく、価値が生み出される全体の流れを捉える視点が欠かせません。そこで重要となるのが「製造業バリューチェーン」という考え方です。

製造業バリューチェーンとは何か

製造業バリューチェーンとは、製品やサービスが企画されてから顧客の手に渡り、利用・保守されるまでの一連の工程を「価値創出の連鎖」として捉える考え方です。

 

単にモノを作る工程だけでなく、企画・設計、調達、製造、物流、販売、アフターサービスに至るまで、各段階で付加価値がどのように生み出されているかを体系的に整理します。

バリューチェーンという言葉は、経営学者マイケル・ポーターによって提唱された概念で、企業活動を分解し、それぞれの工程がどのように競争優位や利益につながっているかを分析するために用いられてきました。製造業においては特に、この考え方が重要な意味を持ちます。

 

バリューチェーンにおける事業活動は「主活動」と「支援活動」の2つに分けられます。

 

区分 主活動 支援活動
役割 顧客に提供される製品・サービスそのものを生み出す活動 主活動が円滑に進むよう基盤を整える活動
主な取り組み 原材料の手配、製品の生産、販売業務 技術開発・人材育成・購買管理

 

主活動と支援活動はそれぞれ役割が異なりますが、相互に連携することで製品やサービスとしての価値が最大化されます。

主活動に内包される3つのチェーンとは

従来のバリューチェーンでは、主活動は「調達・製造・販売」といった工程で整理されることが一般的でした。しかし、事業の高度化・複雑化が進む中で、価値創出の流れをより明確にするために、主活動を3つのチェーンとして捉える考え方が広がっています。

それが、デマンドチェーン・エンジニアリングチェーン・サプライチェーンです。

① デマンドチェーン(Demand Chain)

デマンドチェーンとは、顧客ニーズを起点に価値を創出する流れを指します。
「何を、誰に、どのように提供するのか」を決める領域であり、市場や顧客と最も近いチェーンです。

主な活動例

・市場調査・顧客分析

・製品・サービス企画

・マーケティング

・受注・販売

・アフターサービス、顧客対応

 

デマンドチェーンの役割は、顧客価値を正しく捉え、需要を創出・把握することです。この部分が弱いと、どれだけ良い製品を作っても市場で評価されません。

② エンジニアリングチェーン(Engineering Chain)

エンジニアリングチェーンとは、顧客ニーズを具体的な製品や仕様に落とし込む流れです。
設計・開発を中心とした、製造業の競争力の源泉となる領域です。

主な活動例

・製品設計・開発

・技術検討・試作

・図面・仕様作成

・生産設計

・品質設計

 

エンジニアリングチェーンでは、コスト、品質、納期の大部分が設計段階で決まると言われています。そのため、製造業バリューチェーンの中でも、特に付加価値が集中しやすい領域です。

③ サプライチェーン(Supply Chain)

サプライチェーンとは、製品を安定的かつ効率的に作り、届けるための流れを指します。
モノと情報の流れを最適化し、供給責任を果たす役割を担います。

主な活動例

・調達・購買

・生産計画

・製造・組立

・在庫管理

・物流・配送

 

サプライチェーンの最適化は、コスト削減、リードタイム短縮、安定供給に直結し、企業の収益性や信頼性を支えます。

バリューチェーン分析とは

バリューチェーン分析とは、企業の事業活動を工程ごとに分解し、どの部分でどのような価値が生み出されているのかを分析する手法です。
企業が競争優位を確立するために、強みや弱み、改善すべきポイントを明確にすることを目的としています。

バリューチェーン分析では、このような活動のつながりを俯瞰し、どこで価値が生まれ、どこに改善の余地があるのかを明らかにしていきます。

バリューチェーン分析を行う目的

バリューチェーン分析の目的は、単なる現状把握ではありません。主に、次のような狙いがあります。

 

・自社の強み・競争優位の源泉を明確にする

・コストがかかっている工程や非効率な部分を洗い出す

・付加価値を高められる工程を特定する

・全体最適の視点で経営改善につなげる

 

特に製造業では、製造工程だけでなく、設計、調達、品質管理、アフターサービスまで含めて分析することで、本質的な改善ポイントが見えてきます。

製造業におけるバリューチェーン分析の進め方

製造業でバリューチェーン分析を行う際は、単に業務を並べるのではなく、価値がどのように生まれ、どこで強みや課題が生じているのかを意識しながら進めることが重要です。以下は、基本的な進め方の一例です。

1. 事業活動を洗い出す

まず、自社の事業活動を主活動と支援活動に分けて整理します。
この際、部門単位ではなく、「価値の流れ」に沿って活動を洗い出すことが重要です。

2. 各活動のコストと価値を把握する

次に、それぞれの活動にどの程度のコストがかかっているか、また顧客価値にどのように貢献しているかを整理します。
コストが高いにもかかわらず付加価値が低い工程は、改善の優先度が高いポイントです。

3. 強みと弱みを分析する

競合他社と比較しながら、自社が優位に立っている工程、逆に弱みとなっている工程を明確にします。
価格競争力なのか、品質なのか、サービスなのかといった視点も重要です。

4. 改善・差別化の方向性を検討する

分析結果をもとに、コスト削減、効率化、付加価値向上など、どの方向で強化するかを検討します。
すべての工程を強化するのではなく、戦略的に重点を置くことがポイントです。

まとめ

 製造業バリューチェーンは、企業活動を部分ではなく全体で捉え、価値が生まれる仕組みを可視化するための考え方です。

主活動と支援活動、さらに3つのチェーンのつながりを理解することで、改善すべきポイントや伸ばすべき強みが明確になります。

自社のバリューチェーンを見直し、全体最適の視点で取り組みを進めることが、競争力強化への第一歩となるでしょう。

 

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