MENTENA
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導入事例

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製造業

過去の保全データから必要な情報を即座に見つけ出せる仕組みを追求したい。
設備故障を未然に防ぐために、履歴を有効活用できる体制の導入が急務だった。

株式会社日ピス福島製造所

製造業 自動車エンジン用バルブシート、シリンダライナなど

ピストンリングの世界的シェアを誇る日本ピストンリング株式会社様の一大製造拠点である株式会社日ピス福島製造所様は、正確で計画的な保全体制を標榜されていましたが、「改善ポイントは理解しているが、具体的な解決策としてスピーディーな立案/対応が出来ない」という問題に直面されていました。実際に多岐にわたる設備に関し、有効な保全上の具体策を決め、活動を進めて行くには、膨大な保全履歴の中から瞬時に必要な情報を見つけ出すことが必要条件であり出発点となります。保全のあるべき姿を考え、その理想を形にするために試行錯誤を繰り返す中、「MENTENA」に出会い、導入を決定していただきました。

MENTENA導入前

  • 紙ベース→エクセル入力というアナログ的な手法で点検情報を記録しており、作業に時間がかかっていた。
  • 過去の履歴の検索に手間がかかり、場合によっては必要な情報を発見できず、問題を見過ごすこともあった。
  • 情報の共有漏れ、点検項目の見落とし、チェックミスなどによって、故障の再発を招くケースがあった。

MENTENA導入後

  • 必要な履歴データをピンポイントで検索することが可能になり、故障要因の分析がしやすくなった。
  • 履歴データの活用がしやすくなり、保全スケジュールも徹底できるようになったことで、予防保全が目指せるようになった。
  • 全社的に目指す業務効率化、DX化のサンプルケースとして高い評価を獲得した。

アナログな作業が要因となるミスを極力減らしたい。その解決策を探る日々

私たち日ピス福島製造所は、エンジンの基幹部品であるピストンリングやバルブシートなどの製造販売を行う日本ピストンリング株式会社グループの一員として、福島県の川俣町で操業をしています。約350名のスタッフのうち、設備の保守・保全を担当するのは管理職を含め19名の保全課のメンバーです。製造現場の稼働にあわせ、保全課も24時間体制で業務を行っています。

日々の保全作業における改善ポイントはいくつもありました。まず情報を紙のチェックシートに書き込むといったアナログ的な手法で記録していた点が挙げられます。シートに記入した情報をさらにエクセルに入力し直しており、作業するうえで時間のロスや記入・入力のミスが起こる可能性も否めませんでした。また、過去の記録データや保守履歴、故障事例など膨大に蓄積されていましたが、それらを管理できていなかったところも問題でした。

定期点検や保全作業に関するスケジュール管理についても改善の余地がありました。日々の業務は「計画保全カレンダー」に沿って行っていましたが、その項目や進捗などについては事務所に行かないとわからず、逆に実績については製造現場に行かないとわからない状態でした。確認が必要であれば、都度メールをやり取りしたり、直接その管理表を見に行ったりなどのロスが発生しており、そういったアナログ寄りの体制を改善したいと考えていました。

トラブルをきっかけに、保守・保全業務のDX化計画が本格的にスタート

毎日の業務で記録した履歴を適切に管理し、保全課のメンバーや製造担当者が必要な情報を適切なタイミングで速やかにチェックできるような環境を確立しなければ、設備の故障を未然に防ぐ、再発故障を防ぐ等の予防保全の体制がうまく機能しないというのが保全課の総意でした。

予防保全を確立するためには、蓄積された情報を分析し、故障の原因や傾向をまとめること、また、それを関係者全員にスムーズにシェアする仕組みを構築することが必要だと考えていました。そこで、前日に保全担当者が記録した紙の故障記録をスキャンしてメールで製造現場に送り、その情報を製造作業や設備管理に活かしてもらうという試みを数年前から行ってきましたが、今ひとつ効果が上がっていないと感じていました。そういったもどかしさから、情報共有の手法にもテコ入れが必要と考えていました。

もちろん、一連の改善の必要性は常に保全課全体が認識していましたが、「どうやったら改善できるのか」という段階で足踏みをしていたのが正直なところです。そんな中で昨年、設備故障によって工場の稼働が2日ほど停止するというトラブルがありました。再発故障だったこともあり、改めて履歴情報の活用について見直す過程で、DXの潮流などにも詳しい工場長が独自に見つけ出して保全課に提案してくれたのが「MENTENA」でした。

目指していた「履歴を活かした正確な分析」を可能にする「MENTENA」の機能性

以前より商社などから問題解決のためのツールを提案されることはあったのですが、デモをするためのコストや期間がネックで十分なトライができなかったり、運用方法をきめ細かくレクチャーしてくれるものではなかったりと導入に踏み切れない状況が続いていました。その点、「MENTENA」には満足できるトライアルのサービスがあり、八千代エンジニヤリングさんもしっかりサポートしてくださるとのことでしたのでデモをしてみる事にしました。

実際にデモで「MENTENA」を使ってみて良かったのは、私たちがそれまで行っていた保全業務の内容を大きく変えなくても大丈夫だったことです。点検のために設定されている項目が、私たちが紙のシートに記録している項目とほぼ変わらなかったので、感覚的にスムーズに移行できると感じました。

機能面においても、私たちが必要と感じていたものを網羅していました。特に「スケジュールの管理がより正確にできる」という点と「保全履歴を分析して有効に活用する」という点は注目に値しました。同一の情報を用いて各現場が同時に同じ方向で分析できる環境を求めていたので、ピンポイントで特定の履歴を検索でき、その情報を簡単にシェアできる「MENTENA」ならその助けになるはずと、メンバーの期待が高まり、一気に導入へと進んでいきました。

積極的にDX化を推進する社長の目に留まり、力強い後押しを受けることに

私たち保全課の「MENTENA」の導入に関しては、グループ会社全体から注目が集まっているという側面もあります。当社では半年に一度、岩手、福島、栃木の国内製造拠点に経営層が集まり、各拠点の改善活動について報告をする場が設けられています。今回私たち日ピス福島の保全課では「MENTENA」導入計画を報告しました。正式導入前ではあったのですが「MENTENA」の活用によって成し遂げられる保守・保全業務の効率化などについての予測を発表したところ、経営層より高い評価と強い後押しを得ることができました。社長をはじめとする経営層がDXの取り組みに非常に積極的であること、また導入によって実現する保守・保全業務の効率化やそれに伴う各種トラブルの軽減、生産性の向上などが評価に値したのではないかと思います。

さらに、当日報告会に参加できなかった他拠点の保全担当者から私たちのプレゼンについての情報提供依頼や、「MENTENAとは何ができるのか、導入によってどんなメリットがあるのか」といった問い合わせを受けるなど、現場レベルでの注目度も高まっています。特に過去の履歴をピンポイントで検索し、分析につなげられる機能については他拠点でも興味深かったようで驚きを持って受け止められたようです。将来的には他拠点の保全課とも「MENTENA」を通じてデータをリンクし、部品管理などを含めてより正確で幅広い情報共有ができればと思っています。

保全課の全メンバーが「MENTENA」を使いこなすための教育体制づくりも

導入して間もない状況ではありますが、これから運用方法についてさらに学んでいくことで、「MENTENA」をより有効に活用できるようにしていきたいです。日ピス福島の保全課員は年齢層が高くIT機器に不慣れなメンバーも多いため、タブレット入力などの操作方法については独自の教育カリキュラムを組み、八千代エンジニヤリングさんのお力を借りながら対応をしていく予定です。時間をかけて慣れていけば、すべての保全担当者が問題なく作業を効率化できると確信しています。

この「MENTENA」の導入は日ピス福島の保全課に留まらず、他部署、他拠点にも新たな刺激になっているのではないかと考えています。業務全体のクオリティを上げ、生産効率を高めていくためにも各部署がDX化を推進していくことは不可欠ですが、かつての私たち同様、「具体的に何をしたらいいかわからない」と思っている担当者は少なくありません。そういった視点からも、私たちは「MENTENA」を上手に活用して結果を出し、保守・保全環境の改善を果たし、ひいてはDX化による業務効率化の先例となれるよう全力を尽くすつもりです。

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株式会社日ピス福島製造所

株式会社日ピス福島製造所

埼玉県さいたま市に本社を置く日本ピストンリング株式会社グループの製造拠点として、1982年、福島県伊達郡川俣町に設立。バルブシート、シリンダライナ等の自動車エンジン用部品を製造。国内外の主要自動車メーカーに製品を供給している。また、海外にあるバルブシート製造拠点のマザー工場として、生産性改善、人材育成等の支援の役割も担っている。

https://www.npr.co.jp/index.html

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